希少な『ワンピ』のキス もう描かれないかもしれない恋模様に「妖艶」「切ない」の声
原作者である尾田栄一郎先生が「恋愛は描かない」と語ったこともある『ONE PIECE(ワンピース)』はほとんど恋愛模様が描かれません。そんななか、読者をドキッとさせる「キスシーン」が描かれたこともありました。
一番印象的な「キスシーン」は?
『ONE PIECE(ワンピース)』には、恋愛要素を思わせるシーンが登場することはほとんどなく、原作者の尾田栄一郎先生自身が「恋愛は描かない」と語った様子も聞かれます。作中では「恋」を彷彿とさせるシーンが少ないなかで描かれた「キスシーン」は、ファンにとって相当なインパクトを与えたことでしょう。
●妖艶さがたまらない!
まずは、主人公であるモンキー・D・ルフィと、サンジの姉であるヴィンスモーク・レイジュのキスシーンです。
第826話の「ホールケーキアイランド」へ航海中、連日の嵐により食料難に陥っていたルフィらは巨大魚「ヨロイオコゼ」を釣りあげ、大喜びでした。しかし、チョッパーが「食べられる魚なのか」調べる時間が待ちきれず、ルフィはひとりでヨロイオコゼを食べてしまいます。ヨロイオコゼの皮が持つ毒は、巨人族でも即死に至るほど強力なものといわれており、強い抗体を持っているはずのルフィも重篤症状に陥りました。
ちょうどそのときにヴィンスモーク家の船と遭遇し、乗船していたレイジュが「唇を通じて毒を吸い出す」ことによって命を救われます。このシーンのキスをする瞬間や毒を吸収後のレイジュの妖艶さにハートを射止められたファンもいるのではないでしょうか。
このシーンはレイジュが毒を食せる特殊な体質だからなしえた人命救助ですが、サンジの姉であるレイジュとルフィがキスした事実に、衝撃を受けたファンは少なくありません。ネット上では「(レイジュとキスできるなら)俺も毒を飲みたい」「朝だと刺激が強すぎる」「弟の仲間とキスは禁断ですな……」などルフィに対して羨望の眼差しを向けるファンも見られました。
●「最後のお願い」が切なすぎる!
続いて「ホールケーキアイランド編」の終盤である第902話で描かれた、サンジとシャーロット・リンリンの35女プリンとのキスシーンです。こちらはふたりのキスが直接描かれたわけではありませんが、プリンの回想から、ふたりがキスをしたことが推測されています。
プリンの回想では、「最後にひとつだけ……お願いがあるの……!!」と言ったプリンがサンジのくわえていたタバコをとり、彼に駆け寄る姿が描かれています。そして背伸びをするプリンの両足と、目をハートマークにしたサンジの顔、涙をいっぱいに溜めて「ありがとう さよなら」とほほ笑むプリンの顔が、まるで映画のエンドロールのように展開していきました。
プリンは自身の「メモメモの実」の能力を使い、サンジからキスの記憶を消してしまうため、サンジはプリンとキスを忘れてしまいます。サンジを思うゆえに身を引いたプリンのいじらしさが切ないキスシーンに「最高の失恋」「切なすぎて泣いちゃう」といった声が挙がっていました。
●『ONE PIECE』で最初のキスシーンは?
ここまでルフィとレイジュ、サンジとプリンと印象深いキスシーンが続きましたが、『ONE PIECE』の最初のキスシーンはどちらでもありません。実は1番目にキスが描かれたのは、麦わらの一味の船大工であるフランキーと「SMILE工場」の工場長であるキュイーンでした。
第755話の「ドレスローザ編」で、強制的に働かされていたトンタッタ族を「SMILE工場」から解放するため、フランキー(フラランド)が現れます。キュイーンはフランキーに攻撃を仕掛けるものの相手にならないばかりか、ドンキホーテ海賊団のディアマンテ軍幹部セニョール・ピンクとの「大人の男の決闘」の邪魔をしたとして、フランキーに唇を塞がれてしまいました。
フランキーからの突然のキスに、キュイーンはすっかり毒気を抜かれ、目を潤ませる様子が描かれています。ネット上では「色気がやばい」「いいぞ、もっとやれ」「弟子にしてください」などと、フランキーとピンクのハードボイルドな心意気にホレた様子が見受けられました。
このように三種三様の描かれ方をしたキスシーンは、それぞれが印象的な場面となっています。滅多に恋愛要素を取り入れない『ONE PIECE』だからこそ、キスシーンの登場に驚いた読者も多かったのでしょう。今後のエピソードでは新たな「キスシーン」が描かれるのか、注目です。
(LUIS FIELD)