『鉄人28号(白黒版)』の最終回は「2つ」あった? 全く異なる展開も「大団円」が楽しめた
1963年10月20日は、TVアニメ『鉄人28号』(モノクロ版)の放送が開始された日です。リモコンを持つ者次第で善にも悪にもなるロボット巡る少年探偵・金田正太郎と悪漢たちとの攻防が描かれた同作は大ヒット作品となり、のちに『マジンガーZ』『機動戦士ガンダム』などのロボットアニメ誕生へと繋がるアニメ史に残る作品として記憶されています。
リモコンを持つ者次第で善にも悪にもなる

1963年10月20日は、TVアニメ『鉄人28号』(モノクロ版)の放送が開始された日です。原作は横山光輝先生。リモコンを持つ者次第で善にも悪にもなるロボット「鉄人28号」をめぐり、少年探偵・金田正太郎と悪漢たちとの攻防が描かれた同作は大ヒット作品となり、のちに『マジンガーZ』『機動戦士ガンダム』などのロボットアニメ誕生へとつながる、アニメ史に残る作品として記憶されています。
ところで、『鉄人28号』(モノクロ版)の最終回がどんなものだったか、覚えていますか?
と言っても、実のところモノクロ版には最終回がふたつあるので、まずひとつ目を紹介させていただきます。それが、1965年5月27日に放送された第83話「輝かしきチャンピオン」です。
ロボット連盟が世界最強のロボットを決めるために開催した「ロボット選手権」で、いよいよ鉄人28号とレッド・アニマルが戦う決勝戦が行われます。富士山100回廻り競争など20種類の競技はすべて互角に終わり、最後の綱引きに勝利した方がチャンピオンとなる大一番。激しい攻防の末、勝利したのは我らが鉄人28号でした。
しかし表彰式を迎えたその時、オリオン博士が発明したマンモス・キングが乱入し、最強のロボットの座をかけた取っ組み合いが始まります。紆余曲折の末にオリオン博士を騙した悪漢たちも制圧され、鉄人は花道を渡り空を飛び、多くの人に見送られて平和記念館に展示されることとなりました。
展示館の職員にリモコンを預けた正太郎の眼からは涙がこぼれ落ち、鉄人の瞳もまた、正太郎との別れを惜しむように何度も光り輝いていたのでした。
このように鉄人に最強の称号を与え、正太郎と鉄人の別れも済ませるなど見事な大団円だったのですが、このときすでに2期の放送も決定しており、ナレーションで「今年の9月から新しい鉄人28号として登場いたします!」と予告が行われました。空白期間には再放送も行われていたため、TVの前の子供たちが鉄人や正太郎とお別れするのは、まだまだ先のこととなったのです。