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初期の「ファミコン」にあった「四角ボタン」の謎 今ではレアな存在になった理由とは?

1983年7月に発売された「ファミリーコンピュータ」は本国内で2000万台以上、世界で累計6191万台を売り上げた偉大なハードですが、実はコントローラーのA・Bボタンは実は四角いゴム製でした。なぜ、丸いプラスチック製に変更されたのでしょうか?

「形」だけでなく「材質の違い」が悩ましかった?

初期型「ファミリーコンピュータ」のIIコントローラー。A・Bボタンが四角形となっている
初期型「ファミリーコンピュータ」のIIコントローラー。A・Bボタンが四角形となっている

 1983年7月に発売されたファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)は、日本国内で2000万台以上、世界で累計6191万台を売り上げ、「家庭用ゲーム」文化を定着させた偉大な存在です。そんなファミコンの初期型は、コントローラーのA・Bボタンが四角形だったのはご存じでしょうか。

 コントローラーのボタンと言えば、丸いプラスチック製のものを思い浮かべる人が多いと思います。が、実はファミコンが発売されてから最初の1年ほどは四角形のゴム製ボタンでした。ファミコンの出荷台数は初年度である1983年度が45万台、1984年度は165万台となっています。最初の出荷分がいつから製造されていたのか特定できていないため、切り替えのタイミングはわかりませんが、おそらくは100万台あるかないかと考えられます。それなりにレアと言えるでしょう。

 それにしても、なぜボタンを変更したのでしょうか。まず大きな理由としては、ゴム製の四角ボタンは少々硬めに作られていたものの、使い込んでいくうちにゴムが切れてしまう問題が発生したのです。なお、任天堂は開発段階でボタンを100万回押すテストを実施しており、耐久性に問題はないと判断したそうです。当時の子供たちはいったい何回押したのでしょうか……?

 また、ボタンが四角い上にわずかに変形する性質もあったため、斜めに押し込むとコントローラーの内側に食い込んでしまい、押し下げられた状態のまま戻らなくなる問題も発生しています。

 いずれにせよ、ファミコンに対する子供たちの熱狂ぶりはメーカーの想像を超えていたのでしょう。それまでは基板の上に直接ゴムのボタンを置く形となっていましたが、のちの丸ボタンでは基板の上にゴムのシートを置き、さらにその上にプラスチック製のボタンを据える形となっています。

 ボタンの耐久性が増したことは飛躍的にプレイの快適性を高めています。後に『スターフォース』や『スターソルジャー』など連射力が問われるタイトルのブーム到来の一因ともなったのではないでしょうか。

 なお、当時ファミコンを遊んでいた筆者の場合は、丸ボタンであっても連射のし過ぎで戻らなくなってしまいました。当時の自分はいったい何回押したのでしょうか……?

【画像】何だコレ? 色も形も違うけど「公式」な、ファミコン・スーパーファミコン(5枚)

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