「原作ファンは好感? 落胆?」原作改変が賛否を呼んだアニメ3選
人気マンガがアニメ化される際、原作とは異なるストーリー展開やオリジナル要素の追加はつきものです。しかし、とくに重要なシーンの改変は、原作ファンからすると納得がいかないという声も。今回は原作マンガから大きく改変され、賛否を呼んだアニメを3作品紹介します。
賛否を巻き起こした「アニメの原作改変」とは?
マンガが原作のTVアニメでは、ストーリー展開が原作と異なる事例が多くあります。構成の都合上、オリジナル要素が盛り込まれたり、なかには重要なシーンがカットされたりと、原作ファンから「納得がいかない」といった批判の声があがることも少なくありません。
今回は、世界的な大人気マンガから、放送コードギリギリのダークファンタジー系作品まで、原作と異なる改変が賛否を呼んだTVアニメを3作品紹介します。
●『メイドインアビス』
つくしあきひと氏によるマンガ『メイドインアビス』は「WEBコミックガンマ」にて2012年から不定期連載されているファンタジー作品です。
隅々まで探索され尽くした世界において、唯一残された秘境の大穴「アビス」が舞台となります。奇妙な生物たちが棲み、貴重な遺物が眠るアビスに、主人公・リコと仲間たちが挑むという物語です。
同作は2017年にTVアニメ第1期、2022年に第2期が放送され、劇場アニメにもなりました。
かわいらしい見た目の登場キャラからは想像もつかないシリアスな展開が待ち受け、トラウマ級のグロ描写も多数登場します。例えば、リコが毒に侵された腕の切断を頼むシーンに衝撃を受けた視聴者も多いことでしょう。アニメ版でカットが危惧された過激な描写も、しっかり表現されていました。
そしてアニメでは細かい部分に、さまざまな改変が加えられています。とくに第2期の冒頭のシーンの順序を入れ替えて、物語の導入を分かりやすくする構成になっていたのは印象的でした。
原作にない、アニメのオリジナルシーンもありましたが、いずれも制作スタッフの意図や作品愛を感じられる改変・追加だったため、原作ファンからも概ね好評だったようです。
ちなみに、かわいい声と愛らしいピンクのマスコットのような容姿とは裏腹に、お尻が汚すぎるというギャップの持ち主であるマアアさんの登場シーンもSNSで話題を集めました。アニメ版では、マアアさんの汚いお尻は謎の光でごまかすなど、多少マイルドな表現になっています。
他にも、ナナチと火葬砲で消滅したはずのミーティが「再会」するシーンでは、ナナチの心理描写が原作よりも丁寧に描かれ、多くの視聴者をより深く感情移入させる演出になっていました。
このようにアニメの『メイドインアビス』は、細やかな原作改変がうまくハマった例と言えるでしょう。