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斬新で謎まみれな朝のヒーロー『グリーンマン』 仏像? 中華の渦巻きマーク?

朝のヒーロー「行け! グリーンマン」は、2023年で放送50周年となりました。特撮史上トップクラスの「バッドルッキングヒーロー」と呼ばれるも、大きなインパクトを残して人気になった番組を振り返ります。

斬新だった朝の特撮ヒーロー

「行け! グリーンマンVOL.1 【東宝DVD名作セレクション】」DVD (東宝)
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 小さい頃、朝は日本テレビ『おはよう! こどもショー』(1965~80年)内の「特撮ドラマ」を見てから学校へ行った人は多かったはずです。この番組からはいくつものヒーローが誕生していますが、第3弾の『行け! グリーンマン』(73年11月~74年9月、1回5分の週3回放送で1話完結)を憶えているでしょうか。

「これがヒーロー!?」と疑うようなその斬新なビジュアルは、特撮ファンから「トップクラスのバッドルキングヒーロー」と呼ばれるほどです。放送から50周年の今年、当時の思い出を回顧しながら、ネットニュースではなかなか取り上げられない、この『行け! グリーンマン』に迫ります。

 最大のポイントは、唯一無二の「デザイン」です。インパクトがハンパないその容姿は……土器か壺のようなものをかぶったような顔と頭、額にダイヤのように光る宝石、頭の角からは赤い毛が揺れています。全身の基調はグリーンで、胸にはラーメンの器の渦巻きマークみたいなデザインがありました。さらにグローブとブーツは銀色です。

 書籍「怪獣秘蔵写真集・造形師村瀬継蔵」では、造形を担当した「ツエニー(特撮作品などの造形制作の会社)」の社長・村瀬継蔵氏の実兄の継蔵氏は、「ラーメンの丼の模様がついていたり妙なデザインだと思ったが、兄貴が『これくらい派手なのがいいんだ』と言うので、僕も工夫して、当時珍しかった模造の宝石を多用してきらびやかに仕上げた」と語っています。

 確かに顔部分には、キラキラ光る装飾が多く見えます。とにかく派手にしたかったのでしょう。他ではやらないような、斬新なデザインに挑みたかったのかもしれません。

 また、グリーンマンは「神の化身」という設定で、このデザインは「東南アジアの仏像がモチーフ」だそうです。確かに口元の優しい笑みは「アルカイックスマイル(口元だけ少し笑む彫像表情)」を意識したのか、仏像的な雰囲気がうかがえます。ただ、頭部や顔のマスクのような部分に関しては謎です。何に似ているのか調べてみると、モンゴルか中国の古い冑飾りのようにも見えます。

【画像】グリーンマンと並ぶと色鮮やかで強烈!独特なデザインの前身番組『行け!ゴッドマン』を見る(4枚)

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