『北斗の拳』ケンシロウが最後に倒した敵って誰だった? …ヤツの名前を言ってみろ!
『北斗の拳』で最後に戦った敵の名前を覚えているでしょうか。実は北斗や南斗と全く関係がなく、拳法使いですらありません。ラスボスの印象が薄かった理由と最終話のテーマについて解説します。
最終回のテーマは「愛」
全245話にわたる『北斗の拳』において、ケンシロウが最後に戦った敵は、ラオウでもなければ、カイオウでもありません。意外と印象が薄い『北斗の拳』のラスボス、そして最終回について見ていきましょう。
●修羅の国以降の展開は諸国巡り
カイオウとの死闘を終えた第211話以降の『北斗の拳』には、強大なライバルが登場しません。北斗や南斗の因縁は解消され、しばらくラオウの息子リュウと旅を共にし、そのリュウとも別れたケンシロウは、黒王号と共にユリアの墓へと向かいました。
一方、カイオウのもとから助け出されたリンはというと、バットとの結婚式を前にしていました。しかしバットはリンの愛に疑問を感じています。リンはカイオウに破孔「死環白」を突かれ、目を覚ましてのち初めて見たものを愛する呪縛をかけられていたからです。
リンにかけられた「死環白」を解くことができないバットは、リンにはケンシロウがふさわしいと考えて、リンの秘孔を突いて記憶を消してしまいました。バットは記憶喪失となったリンをともない、ケンシロウとの思い出を蘇らせるため各地を巡ります。
●記憶喪失になるケンシロウ
ユリアの墓前にやってきたケンシロウは、そこで再会したマミヤから、上述のバットとリンのいきさつを聞かされます。マミヤはバットの思いを汲んで、リンと結ばれて欲しいとケンシロウに願いますが、ケンシロウは受け入れません。実はユリアも、自分の死後はリンと結ばれるようケンシロウに言い残していました。マミヤもユリアも、リンがケンシロウに向けている恋愛感情に気づいていたのです。
「あなたって人はどうして女の心がわからないの!!」とマミヤは涙を流してなじりますが、ケンシロウの心にはこれまでに戦い散っていった強敵(とも)たちの思い出がいっぱいで、リンの愛を受け入れる余地はないようです。
しかし奇跡が起きました。突如として胸の傷が光を放ち、落雷が直撃しケンシロウは記憶を失ってしまうのです。ラストエピソードを前にして、リンとケンシロウはともに記憶喪失になってしまいました。ここからエンディングに向けて怒涛の展開です。