正義勢と悪勢の割合は? もし「マルチバース」で歴代ゴジラが集結したら、を考察
来年・2024年で生誕70周年となる「ゴジラ」シリーズは、2023年11月3日には37作目となる『ゴジラ-1.0』が公開されます。これまでの70年間の間にさまざまなゴジラが登場しましたが、もしマルチバースが実現して、歴代のゴジラが一斉に日本を襲撃したら一体どうなるのでしょうか。
もし歴代ゴジラが全員同じ世界に現れたら

最近のアメコミヒーロー映画では、「マルチバース=並行世界」という設定で、他作品の違うバージョンのヒーローが一堂に集まることがあります。例えば、『スパイダーマン ノーウェイ・ホーム』では、歴代のスパイダーマンが同じスクリーンのなかに登場するという奇跡もありました。日本の作品でいえば、生誕70周年記念作『ゴジラ-1.0』も本日公開された「ゴジラ」シリーズには、海外制作やアニメも含めて40体以上のゴジラが存在します。
もし「マルチバース」の企画が実現して、同じ世界にすべてのゴジラが現れたら、日本は一体どうなるのでしょうか。各ゴジラの情報を整理しながら展開を考察しましょう。
そもそも怪獣であるゴジラは本能のままに行動しており、都市を破壊される人間としては大迷惑です。しかし作品によって描かれ方が変わり、同じゴジラでも善と悪に分けられます。
まず東宝制作のゴジラから見ていくと、東宝発のゴジラシリーズは1954年公開の第1作『ゴジラ』を原点として、世代によってさまざまな作品に分岐しているのが特徴です。
初代ゴジラは芹沢博士が開発した「オキシジェン・デストロイヤー」により、海中で死滅しました。映画のラストでは名優・志村喬さん演じる山根博士が「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない」「あのゴジラの同類がまた世界のどこかへ現れてくるかもしれない」と言っていますが、予言通りにその後世界にゴジラが何体も出現します。
1955年『ゴジラの逆襲』から登場した2代目ゴジラは当初、初代と同じく凶暴でキングコングやモスラと戦う敵役でしたが、1964年『三大怪獣 地球最大の決戦』では地球を襲うキングギドラを相手に、モスラやラドンと共闘しました。そこからは正義の味方になり、息子・ミニラの子育てをしながら宇宙人が送り込んできたガイガンや、メカゴジラなどの怪獣と戦います。
その後、1984年の同名映画『ゴジラ』の「3代目ゴジラ」が登場した際は初代ゴジラの存在を尊重して、2代目ゴジラはいなかったことになり、初代ゴジラが現れた約30年後に現れた2体目のゴジラという設定となりました。
そして、破壊されてもすぐ修復するゴジラ(G細胞)からビオランテやスペースゴジラが誕生したり、1991年『ゴジラvsキングギドラ』ではタイムマシンでゴジラ誕生以前に戻ったりと、3代目ゴジラはSF要素が満載でした。
またゴジラを真似して作られたロボット怪獣のメカゴジラの設定は宇宙人のメカではなく、人間がゴジラを倒すために作ったメカという設定になっています。昭和の2代目ゴジラと違い、宇宙人が送り込む怪獣と戦った経験が1度もありません。
3代目も当初は凶暴なだけでしたが、1993年の20作目『ゴジラvsメカゴジラ』からベビーゴジラが誕生し、ゴジラの行動原理がリトルゴジラ、ゴジラジュニアの成長する同種族を守るというものに変わりました。