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「ゲルググ」の定番色は、赤?緑? 意見が分かれる背景に「制作上の都合」も

『機動戦士ガンダム』のなかでも人気の高いMSのひとつが「ゲルググ」です。多くのバリエーション機も登場していますが、そのイメージカラーはというと、人によって答えが分かれることになるかもしれません。

シャア以外の専用機も「赤」が多い?

『機動戦士ガンダム』で最初に登場したゲルググはシャア専用の赤い機体だった。画像は「HGUC 1/144 シャア専用ゲルググ」(BANDAI SPIRITS)
『機動戦士ガンダム』で最初に登場したゲルググはシャア専用の赤い機体だった。画像は「HGUC 1/144 シャア専用ゲルググ」(BANDAI SPIRITS)

『機動戦士ガンダム』に登場したジオン公国軍のMS(モビルスーツ)「ゲルググ」は、宇宙世紀シリーズにも登場している人気の機体です。しかし、筆者が昔から気になっていることがありました。

 ゲルググの初登場は第37話「テキサスの攻防」で、シャア専用機だった赤い「YMS-14/MS-14S ゲルググ」が、画面に登場した最初の機体でした。その設定はいろいろと変わっていきましたが、現在ではこのシャア専用機は「先行量産型」という設定になります。

 一般兵士用にあたる量産型「MS-14A ゲルググ」は、遅れて第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」で初登場します。名のあるパイロットが登場しなかったこともあって、劇中では目立った活躍のないまま役目を終えています。この量産型はジオンの兵器では伝統的な緑のカラーリングでした。

 設定上は「RX-78 ガンダム」と互角以上の性能を持つMSで、ゲルググの量産がもっと早ければ「一年戦争」の結末は変わっていた、とまで言われる傑作機です。それゆえに後の宇宙世紀の歴史上にもたびたび登場しました。

『機動戦士Zガンダム』第26話では残骸としてエゥーゴに発見され、後にジュピトリス潜入やメガ・バズーカ・ランチャーの追加ジェネレーターとして利用されています。『機動戦士ガンダムZZ』第26話でも一年戦争でアフリカ戦線にいたジオン兵のタグが遺した機体としてゲルググが登場しました。

 ところが、このタグのゲルググの色は一般的な量産型カラーの緑でなく赤だったのです。その後、「青の部隊」の機体として青いカラーリングのゲルググが登場します。このことから当時、タグはカラーリングを変えるほどのパイロットだと納得しました。

 しかし、この後に登場した「MS-14J リゲルグ」のカラーリングもまた赤だったのです。もちろん、搭乗していたイリア・パゾムもまたエース級パイロットですから、専用カラーの機体に乗っていても不思議ではありません。

 ここで宇宙世紀の時間軸でなく、現実の時間軸で振り返ると、続いて登場することになるゲルググが『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の「MS-14JG ゲルググJ(イェーガー)」です。その機体色は赤でした。

 宇宙世紀内でなく現実目線で考えると、ここまで続いた赤いゲルググの登場は何らかの意図があると考えてしまいます。本来ならば緑色の量産機の方が多いはずのゲルググに、どうして赤い機体が目立つようになるのか? ……その謎を考察してみましょう。

【画像】青や紫もあった! ホントに色々すぎる「ゲルググ」のバリエーション(8枚)

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