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ファミコンカセットの上部にある「謎の穴」の正体 どんな意味があった?

「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)は発売から40年が経過した今もなお、名ハードと語り継がれています。そんな多くのユーザーが手にしたであろうファミコンカセットには、ある謎が隠されていました。「カセット上部に空いた穴の正体」にまつわるエピソードをご紹介します。

意外と知られていない?「ファミコンカセット」の秘密

任天堂から発売されたファミコンカセットの上部にある2か所の穴(以下すべてマグミクス編集部撮影)
任天堂から発売されたファミコンカセットの上部にある2か所の穴(以下すべてマグミクス編集部撮影)

 1983年7月15日に発売されたファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)と言えば、日本のみならず、全世界のゲーム市場に多大な影響を与えた名ハードです。現在40代~50代付近の方々なら、きっとひとつはファミコンでハマったゲーム作品があるのではないでしょうか。

 ファミコンは、スーパーファミコンへ世代交代を行うまでに1200本以上の対応ソフトが発売されました。今回は、そんな当時のゲーマーが馴染み深いであろう、「ファミコンのカセット」にまつわるエピソードを振り返ります。

●カセットに空いた「謎の穴」

 昨今のゲームソフトはディスク媒体やダウンロードデータとして供給されることがほとんどですが、当時のファミコン用ソフトは縦7cm×幅10.7cm(一部作品を除く)、長方形サイズのROMカートリッジで販売されていました。また、カセットの表面には作品イメージを彷彿とさせる商品シールが、そして背面には使用上の注意点を記載したシールが貼られていたのです。

 ここまではおそらく多くのファミコン世代の記憶に焼き付いていると思われますが、ではカセット上部に空いた「謎の穴」についてはご存知でしょうか。より具体的に話すと、一部のファミコンカセットは上部の隅に穴が2か所空いています。ただしコネクタのような形状でもなく、凸状のパーツをはめ込んで使うといった形跡も見当たりません。ではこの穴は、いったい何のために空けられたのでしょうか。

 実はこの穴、特にこれといった価値がないのです。カセットの製造上の都合で空いた穴のため、「周辺機器をカセットに差し込む」「ほかのカセットと連結させる」……など、使い方を拡張させるような機能はまったくありません。しかし正体を知らないと、やはりどこか思わせぶりな部分にも見えます。

 また、一部のファミコンカセットは上部ではなく、本体の前面から背面へ、貫通するように穴が開けられていました。こちらは「カセットを壁面等へ固定する際にヒモを通す」という具合に、最初から機能面が考慮されていたようです。

 そのほか、カセット上部にシールが貼られているため穴が見えないなど、自社でカセット製造を行っていたサードパーティー産のソフトは、形状にもさまざまな特徴が見られました。LED(発光ダイオード)をカセット本体に埋め込んだ『スペランカー』や、カセット内部が透けて見えるスケルトン仕様の『沙羅曼蛇』は、その代表例とも言えるでしょう。

 一見すると、何の変哲もないファミコンカセットの穴ですが、「そういえばどんな見た目だったっけ?」と気になったリアルタイム世代の方々は、思い出のファミコンカセットを再び手に取り、姿形をじっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。

※参考文献:
『ファミリーコンピュータ パーフェクトカタログ』(ジーウォーク)
『ゲームメーカー盛衰記【合本】』(三才ブックス)

(龍田優貴)

【画像】結構デカいけど何のためにあった? 「ファミコンカセットのふたつの穴」を見る(5枚)

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