マグミクス | manga * anime * game

【漫画】駅で働く猫たち「ほら、お見送りだよ」 人々に愛される猫の日常が優しい『にゃん旅鉄道』

「猫が働く駅」として知られる福島県の会津鉄道、芦ノ牧温泉駅を舞台としたマンガ『にゃん旅鉄道~さくらの物語~』の単行本が2023年10月30日に発売されました。末っ子猫・さくらとお兄ちゃん猫・らぶ駅長の日常や、駅を訪れる人びととのふれあいが心温まります。作者のゆきよみさんにお話を聞きました。

駅員として働く末っ子猫の成長物語

駅のベンチで電車を見送る兄妹猫 著者:ゆきよみ、監修:芦ノ牧温泉駅を守る会 (C)Yukiyomi 2023 Printed in Japan
駅のベンチで電車を見送る兄妹猫 著者:ゆきよみ、監修:芦ノ牧温泉駅を守る会 (C)Yukiyomi 2023 Printed in Japan

 福島県の会津鉄道、芦ノ牧温泉駅。ここは「猫が働く駅」として知られています。福島中央テレビの情報番組「ゴジてれ Chu!」にて毎週火曜日に放送されているミニコーナー『にゃん旅鉄道』は、働く猫たちが紹介されて人気となり、映画化もされました。

 この『にゃん旅鉄道』をモチーフとした、実話をもとにした創作マンガ『にゃん旅鉄道~さくらの物語~』が「ウォーカープラス」にて連載中で、2023年10月30日に単行本が発売されました。主人公は働く猫の一員であるさくら。天真爛漫な末っ子猫で、お兄ちゃん猫のらぶ駅長やぴーちに指導されながら、そしてお空の上から初代駅長であるばすに見守られながら、駅員として成長していく姿が描かれています。

 作者はイラストレーターで漫画家のゆきよみさん( @yukiyomi333 )。駅で乗客を出迎えたり見送ったりと、日々働く猫たちの様子や、駅を訪れる人びととのふれあいを、四季折々の風景とともにやわらかいイラストで情緒豊かに描いています。

 作者のゆきよみさんと、芦ノ牧温泉駅の駅長さんに、お話を聞きました。

●作者のゆきよみさんへインタビュー

ーー情報番組のミニコーナーとして放送されている『にゃん旅鉄道』ですが、マンガ化を担当することになったときのお気持ちを教えて下さい。

 動物、特に猫が好きだったので、とてもうれしかったです。また、鉄道会社に勤めていたのですが、病気をしてしまい、悔しさを残しながら退職したため、まさか鉄道のマンガを描けることになるとは思ってもみませんでした。そのため、鉄道との不思議なご縁を感じました。猫も鉄道もどちらも大好きなので、喜びも大きかったです。

 でも、同時に大きなプレッシャーも感じました。多くの人に愛されている『にゃん旅鉄道』ですので、喜びも大きかったですが、それと同じくらい、「ファンの皆様の想いを裏切ったらどうしよう」という不安もありました。

ーーマンガを通して、芦ノ牧温泉駅ではたらく猫たちの愛らしさや周囲の人びとの温かさ、四季の風景の美しさなどが、とても魅力的で癒やされました。マンガに描くうえで工夫なさった点、心がけた点などを教えて下さい。

 ありがとうございます!! 季節の移ろいが芦ノ牧温泉駅の魅力のひとつだと思っているので、そこをうまくお話と絵で表現したいと思っていました。特に背景は何日もかけて描きました。駅のホームの樹齢90年以上の桜が季節とともに姿を変えていく様子や、駅の周りに広がる田んぼの景色、そんな日本の美しい原風景を、色が限られるマンガで表現するということは難しかったですが、会津の美しさが多くの人に伝わってくれたらうれしいです。

 また、マンガは一見、ファンタジーかと思われるかもしれないのですが、芦ノ牧温泉駅の皆様からうかがった実話をもとにしたお話になっています。実話をもとに「猫目線」に落とし込んだお話をどう作るか……どのお話も、何回も練り直して辿り着いたお話です。

2023年10月30日に発売された単行本『にゃん旅鉄道 ~さくらの物語~』 著者:ゆきよみ、監修:芦ノ牧温泉駅を守る会 (C)Yukiyomi 2023 Printed in Japan
2023年10月30日に発売された単行本『にゃん旅鉄道 ~さくらの物語~』 著者:ゆきよみ、監修:芦ノ牧温泉駅を守る会 (C)Yukiyomi 2023 Printed in Japan

ーー単行本『にゃん旅鉄道 ~さくらの物語~』では「ウォーカープラス」連載分に加えて、描き下ろしやフォトギャラリーなども多く掲載されています。書籍化にあたって力を入れたことや、苦労なさったことなどを教えて下さい。

 書籍のカバーイラストには特に力を入れました。実はSNSを通じて「芦ノ牧温泉駅に行きたいけれど、家族の介護と、自身も病気のため行けないです。でもマンガで癒やされています」というメッセージをいただきました。ですので、普段はなかなか芦ノ牧温泉駅に行けない方であっても、そこに行った気持ちになれたら良いなと思い、丁寧に描きました。

 また、描き下ろしは、登場人物のばす、らぶ、さくら、ぴーち、それぞれにスポットライトが当たったお話になっており、なんと25ページもあります。4匹の猫の魅力を描き分けるのには苦労しましたが、ぜひ読んでほしいと胸を張って言える内容になっています。お手に取っていただけたらうれしいです!

ーー『にゃん旅鉄道 ~さくらの物語~』の読者の方へ、メッセージをお願いします。

『にゃん旅鉄道 ~さくらの物語~』は、誰もが安心して読める、優しい世界観の物語です。生きていくなかでは喜びだけでなく、ときに痛みが襲うこともありますが、きっと『にゃん旅鉄道 ~さくらの物語~』を読めば、誰もが心地よい気持ちになるのではないかと思います。猫好きさんはもちろん、癒やされたい、優しいマンガが読みたい人にもぜひ読んでいただきたいです!

●芦ノ牧温泉駅の駅長さんへインタビュー

ーー芦ノ牧温泉駅を舞台とした『にゃん旅鉄道』がテレビ、映画やマンガで制作されたことについてのお気持ちを教えて下さい。

 静かな山合いの小さな駅にいる猫たちを取り上げていただき、テレビの『にゃん旅鉄道』、また映画『劇場版 にゃん旅鉄道』、それにゆきみよさんのマンガが猫好きなファンの皆様を癒やし、多くの方々から応援をいただき、本当にありがたく思っております。

「猫が働く駅」で、ばす駅長、らぶ駅長が生きていた証と、猫たち兄弟の絆が描かれたことが何よりうれしいです。猫世界のことは私たち人間の心も温かくしてくれます。本当に感謝しております。

ーー駅長さんとして、芦ノ牧温泉駅を訪れる人に向けて、芦ノ牧温泉駅の良さを改めてご紹介いただけますか?

 都会に憧れてこの地を出ることだけを考えた若い頃……この地に残り、芦ノ牧温泉駅に勤務してばす駅長に会い、そしてらぶ駅長に出会えた時間。今、ぴーちとさくらの兄妹とともに生きているこの時間。

 四季の風景のなか穏やかな時が流れ、こんなにも素晴らしく胸を張って堂々と「ここが私の生まれた所です」と言えること。美しい山々に囲まれた老木の桜の木、昭和時代の駅舎……この景色が宝ですと言えること。

 若いスタッフも一生懸命に心を込めて朝の掃除、業務をしてくれて、お客様と出会い、笑顔で会話を楽しんでいます。

 どうぞ素直な気持ちで猫ちゃんに、私たちに会いにいらしてください。どなたかが言って下さいました。ここは天国だと……。

(マグミクス編集部)

【マンガ】駅で働く猫たち「ほら、お見送りだよ」 末っ子猫はお兄ちゃんのあとを必死でついていき? 本編を読む

画像ギャラリー