なぜ「ネプチューン」? 様々なモデルがいる『キン肉マン』超人の元ネタを振り返る
『キン肉マン』に登場する超人のなかには、実在の人物がモデルというキャラクターも見られます。当時の少年たちはみんな知っていた「ウルフマン(リキシマン)」のモデルなど、その元ネタを振り返ります。
モデルになったのはプロレスラーだけじゃなかった!
アニメ新シリーズの制作が発表されている『キン肉マン』は、集英社「週刊少年ジャンプ」に始まり、2023年現在も「週プレNEWS」「週刊プレイボーイ」で連載が続く「超人」格闘マンガです。バラエティ豊かでユニークな超人がたくさん登場し、そうしたなかには、やはりプロレス系格闘技を題材とするマンガゆえか、実在のプロレスラーを思わせるキャラクターも登場してきました。
その代表といえるのが「テリーマン」でしょう。元プロレスラーのテリー・ファンクさんをモデルとしたキャラクターで、原作者であるゆでたまご嶋田先生のTwitter(当時)アカウントにて「私たちは テリー・ファンクが大好きでそれありきでテリーマンを描いていました」との発言がありました。同様に、ブロッケンマン&ブロッケンJr.についてはフリッツ・フォン・エリックさん、バッファローマンについてはブルーザー・ブロディさんと、いずれもその名を知られた元プロレスラーがモデルであるとしています。
読者の超人アイデア募集も『キン肉マン』恒例の企画で、そこから生まれた主要キャラのひとりが、イギリス出身の「ロビンマスク」です。応募時の名前は「ヨロイマン」でしたが、そこにイギリス出身の元プロレスラーであるビル・ロビンソンさんの要素が加わってできたキャラクターといいます。
「ネプチューンマン」もまた、読者アイデアから生まれた超人です。正確には、読者ふたりのアイデアを合成して作られたキャラクターになります。そのふたつのアイデアというのが当時、絶大な人気を誇ったプロレスラーであるハルク・ホーガンさんをモデルにしていることは一目瞭然で、応募時の名前もそれぞれ「ハルクマシーン」「イチバンマスク」というものでした。なおハルク・ホーガンさんは、その掛け声「イッチバーン(一番)」も広く知られます。
ではその名前「ネプチューン」の由来はなんでしょうか。これについては推測の域を出ないものではありますが、当時プロレス中継のリングサイドアナウンサーとして人気を博していた古舘伊知郎さんが、ハルク・ホーガンさんをして「よみがえったネプチューン」と表現していたことにちなむのではないか、という説が見られます。この「ネプチューン」というのは、ハルク・ホーガンさんの必殺技のひとつ「アックスボンバー」を、古舘さんが海神ネプチューンの持つ三叉槍にたとえたことから、そう表現するようになったようです。
プロレスラー以外の著名人をモデルとしたキャラクターも見られます。そのひとりが「ウルフマン」で、超人相撲界の最高位である横綱の称号を持つ超人です。力士をモデルにしたキャラクターでなぜ「狼男」なのかというと、それは当時、現実の相撲界で人気力士だった千代の富士関(当時。のちの九重親方)のニックネーム「ウルフ」にちなんでいるからといいます。
さらに嶋田先生によれば、「ラーメンマン」のモデルとなったのは世界的な映画スターであるブルース・リーさんであると、Twitter(当時)にて2022年11月、ファンの疑問に答えるかたちで発言しています。
(マグミクス編集部)