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『ラピュタ』は「オーストラリアが舞台」は本当? 公式が答えた「ジブリ聖地」の真相

日本が世界に誇るスタジオジブリ作品は、独特な世界観で多くの人びとを魅了してきました。なかには世界観を実際に体感したい想いで、「聖地巡礼」と称して旅行するファンもいるほど。ただネット上に広まっている「聖地」に関しては諸説あり、公式が否定しているものもあるようです。

「ジブリ公式サイト」で真相が明らかに?

『天空の城ラピュタ』で描かれた、空に浮かぶ「ラピュタ」 (C) 1986 Studio Ghibli
『天空の城ラピュタ』で描かれた、空に浮かぶ「ラピュタ」 (C) 1986 Studio Ghibli

 2023年11月3日に、「スタジオジブリ」の公式X(旧Twitter)アカウントが終了しました。同アカウントは、「金曜ロードショー」で放映される作品についてユーザーの質問に答える企画や、公開された映画『君たちはどう生きるか』に関するクイズ企画など、さまざまな活動で作品づくりの舞台裏を紹介してきました。

 一方で、ジブリ作品は独特な世界観や背景美術の面でも世界中の人びとを魅了しており、複数の作品で「あの国・地域がモチーフではないか」といった声や議論が今なお広がっています。映画の撮影地を訪問する「聖地巡礼」への関心から、ジブリ作品のモデルとなった場所を予想するファンもいます。スタジオジブリは公式サイトなどで、そうした噂がされている「作品の舞台」のいくつかについて、真相を明らかにしています。

 今回は、「聖地ではないか」と噂された場所と、それらについての公式の見解を見ていきます。

 まず最初に取り上げたいのが、『天空の城ラピュタ』が、オーストラリアをモチーフにしているという噂です。ケアンズにあるパロネラパークは、『ラピュタ』の世界観に酷似しているという意見があがっています。そんなパロネラパーク建設を手がけた「ホゼ・パロネラ」さんは、建築に関する知識を持っておらず、6年ものあいだ試行錯誤を繰り返して完成させたそうです。

 設計図を書かずに作り始め、コンクリートを手で塗るなど、独特な建築方法で作られたパロネラパークは、1946年以降複数回の自然災害や大火事などにより再建不可となり、いつしか忘れ去られた廃墟となりました。時の経過とともに緑や苔に覆われた廃墟は、ラピュタのモデルだと言われれば信じてしまうほど神秘的に見えます。

 しかし、スタジオジブリは『天空の城ラピュタ』作成時に「大いに参考にした場所」として、「イギリス・ウェールズ地方」と述べています。そのため、ラピュタの舞台がオーストラリアだという説は、単なる噂だったと考えるのが妥当でしょう。

 ちなみに『風の谷のナウシカ』の舞台がオーストラリアだという説もあります。ネット上で「風の谷という場所がある」「風景がそっくり」といった記事を掲載するサイトもありました。しかし、スタジオジブリ公式ブログ「ジブリ日誌」では「ジブリ作品のモデル地にオーストラリアは存在していない」と公言しており、噂ははっきりと否定されています。

【画像】信じてしまいそう? 「ジブリ作品の舞台」と噂された、世界の絶景・奇景たち(7枚)

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