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選べないよ! 2023年「No.1アニメヒロイン」は誰だ 女性声優4人から考える

2023年のアニメは『【推しの子】』や『葬送のフリーレン』、『薬屋のひとりごと』など話題作が尽きません。そのなかで「No.1ヒロインは誰なのか」今回は声優さんの活躍という視点を軸に4人選びました。

今年のアニメヒロインの数…1000人以上かも!?

『葬送のフリーレン』ビジュアル (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
『葬送のフリーレン』ビジュアル (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

 今年も200本以上の新作TV/Webアニメが生まれ、その多くにヒロインが登場しました。単純に考えれば200人以上のヒロインがおり、サブヒロインまで含めれば、桁が変わる可能性もあります。

「2023年のNo.1ヒロインは誰か」

 11月上旬、編集部から筆者(週に60~80本程度TVアニメを観ている男)に届いたそうしたテーマの記事依頼に筆者は頭を悩ませることに……ただでさえ数が多いのに、魅力的なキャラクターが多すぎです。

 そこで今回は、現代でアニメキャラクターを語るのに欠かせない存在の声優さんにフィーチャーし、まず今年強く印象に残った4人の女性声優を選出したうえで、彼女らの今年の代表的なキャラクターをセレクトしてみました。

●フリーレン(種﨑敦美さん)

『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャーや『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のダイなどを演じ、第17回声優アワードで主演声優賞と助演声優賞をダブル受賞した種﨑敦美さんは、2023年作品でも多彩な演技で楽しませてくれました。引き続き演じているアーニャのような女児に加え、『夜廻り猫』や『ぼさにまる』では動物を、『冰剣の魔術師が世界を統べる』や『葬送のフリーレン』では共に師匠ポジションの年長者を演じており、担当キャラクターの幅広さは相当なものです。

 特に秋クールはフリーレンにアーニャ、『魔法使いの嫁』の羽鳥智世、『アンダーニンジャ』の鈴木、『薬屋のひとりごと』の玉葉妃と主要キャラクターを多数担当中で、まさに旬の声優といえます。そんな彼女の今年の代表作と言えば、やはり話題沸騰中のフリーレンでしょう。『葬送のフリーレン』は連続2クールとなるため、淡々とした口調ながらしっかりと感情を読み取れるあの演技が、2024年1月クールでも楽しめるのはありがたいものです。

※種崎さんの「崎」は、「大」ではなく「立」が正しい表記

●高松燈(羊宮妃那さん)

『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』ビジュアル (C)BanG Dream! Project
『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』ビジュアル (C)BanG Dream! Project

 先述した声優アワードにこれまで縁がなかったものの、2023年に目覚ましい活躍を見せたのが羊宮妃那さんです。『アルスの巨獣』のクウミで初主演の座を射止めると、『僕の心のヤバいやつ』や『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』にもメインヒロインとして出演しています。

 特に『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』では内向的でコミュニケーションが苦手ながら、内には確固たる意志を秘めている高松燈(たかまつ ともり)を、日常芝居でも歌声でも好演しました。第10話「ずっと迷子」における燈の詩から始まるライブは、今年のハイライトのひとつと言っていいでしょう。

『ひろがるスカイ!プリキュア』ビジュアル (C)ABC-A・東映アニメーション
『ひろがるスカイ!プリキュア』ビジュアル (C)ABC-A・東映アニメーション

●プリンセス・エル/キュアマジェスティ(古賀葵さん)

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の四宮かぐや以降、さまざまなヒロインを担当してきた古賀葵さんは、今年もかなりの活躍をみせています。『SYNDUALITY Noir』『Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-』『でこぼこ魔女の親子事情』といった力作のメインヒロインに加え、『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』や『カノジョも彼女』のサブヒロインもハマっていました。

 そんな彼女にはやや珍しい、明るく元気でよくしゃべる『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の秋里コノハもとても印象深いですが、今年の代表作はやはり『ひろがるスカイ!プリキュア』の「エルちゃん」ことプリンセス・エルでしょう。当初は赤ちゃん言葉だけでしゃべっていましたが、中盤からはキュアマジェスティへと変身を遂げます。同作のヒロイン役を務める関根明良さんとの関係性も含め、「美味しい」役どころでした。

●エルダ(小清水亜美さん)

『江戸前エルフ』ビジュアル (C)樋口彰彦・講談社/「江戸前エルフ」製作委員会
『江戸前エルフ』ビジュアル (C)樋口彰彦・講談社/「江戸前エルフ」製作委員会

 今年の女性声優シーンを振り返ると、加隈亜衣さんや日笠陽子さんなど中堅世代の新鮮な活躍が印象的でした。『交響詩篇エウレカセブン』のアネモネや『コードギアス 反逆のルルーシュ』の紅月カレンで知られる小清水亜美さんもその内のひとりで、昨年から引き続き、『異世界ワンターンキル姉さん~姉同伴の異世界生活はじめました~』や『神無き世界のカミサマ活動』などの妙に気になるポジションのキャラクターで存在感を発揮しています。

 また『江戸前エルフ』では400年以上前に異世界から召喚されながら、現代文明にどっぷりと浸かったオタク趣味のひきこもりエルフという変わった主人公を見事に体現(『江戸前エルフ』は釘宮理恵さんや能登麻美子さんのエルフもすごく魅力的でした)。『明日のナージャ』でのデビューから20年経った小清水さんですが、まだまだ新境地を行く姿に感心させられるばかりです。

●まだまだ尽きない、抜群によかった2023年アニメヒロイン

 筆者は「強い意志で、自身の運命を切り開く」キャラクターこそヒーローでありヒロインであると考えるため、この4人の中では高松燈(羊宮妃那)がヒロインレースでは一歩リードといったところです。

 しかし何れ劣らぬヒロインですし、そもそも『スキップとローファー』や『アンデッドガール・マーダーファルス』が出色の出来だった黒沢ともよさん、もはや殿堂入り扱いな悠木碧さんの数々のキャラクターも……と有力な声優やキャラクターを挙げると切りがありません。アニメファンのみなさんも、この年末には2023年のアニメ、そしてヒロインを独自の視点で振り返ってみましょう。

(はるのおと)

【画像】助けてっ!と、うれしい悲鳴が 2023年のかわいすぎるアニメヒロインたち(8枚)

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