和製サンダーバード? 高橋良輔、富野由悠季らが参加した本格SFアニメ『ゼロテスター』企画秘話
あの『ボトムズ』の高橋良輔、『ガンダム』富野由悠季、安彦良和、『ルパン三世』の吉川惣司……錚々たるメンバー参加のサンライズ初オリジナルアニメ『0(ゼロ)テスター』の謎のスタッフとは?
若き日の豪華クリエイターが参加!

放送開始50周年を迎え、初となる見放題サービス配信開始で注目を浴びている『0(ゼロ)テスター』(以降、ゼロテスターと表記)。
今からちょうど50年前、あの『機動戦士ガンダム』で有名なサンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)を後に立ち上げる7名のメンバーたちが、アニメ制作会社「創映社」と制作現場「有限会社サンライズスタジオ」を設立して一年。イギリスからの輸入で大ヒットした『サンダーバード』をヒントにしたアニメーションを作れないかという、東北新社のオーダーで初めて作ったオリジナルのTV作品が『ゼロテスター』です。
物語は、未来の地球を舞台に「生命維持度ゼロ」の過酷なテストに挑む三人の若者を中心に、突如襲いかかる宇宙人に対して、さまざまなメカを駆使しながら地球の命運を賭けて戦う「ゼロテスター」たちを描くというもの。
スタッフには、原作に、サンライズを一躍有名にしたスーパーロボットアニメ『勇者ライディーン』をはじめ『無敵超人ザンボット3』『装甲騎兵ボトムズ』『戦闘メカ ザブングル』『機動武闘伝Gガンダム』などの企画原作やシリーズ構成を務める鈴木良武。監督は『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』の高橋良輔、シナリオには『ルパン三世』の監督や脚本でも知られる吉川惣司、そして『ガンダム』の富野由悠季(喜幸)も演出に名を連ね、さらに作画に『ガンダム』や『クラッシャージョウ』のキャラクターデザイン、作画監督の安彦良和等々、日本のアニメ界を支えてきた豪華メンバーが勢ぞろいという驚きの布陣です。
しかし当時はいずれもまだまだ若手。富野監督ですら30歳そこそこの年齢で、まさにアニメアーティストとしての力量を発揮し始めた時代の作品だとも言えるでしょう。
そんな『ゼロテスター』には、関係スタッフ間でも謎とされている秘話があります。それは、オープニングにクレジットされる「ジョン・デドワ」というメカデザイナーの名前です。