サクっとやられてサクっとリトライ! 『風来のシレン6』はテンポのよさがクセになる【先行プレイレポ】
スパイク・チュンソフトによる「風来のシレン」シリーズ最新作『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』が2024年1月25日(木)に発売されます。メディア向けハンズオンで味わった、14年ぶりとなる新作の魅力をお届け。
風来人シレンの新たな冒険が始まる
スパイク・チュンソフトによる「風来のシレン」シリーズのナンバリング最新作『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』が、ニンテンドースイッチにて2024年1月25日(木)に発売予定です。
本作を含む「不思議のダンジョン」は、ランダム生成のダンジョンに挑み、やられてしまえば持ち物やレベルをすべて失ってしまう歯ごたえのあるシリーズです。キャラクターをじっくり育成するのではなく、プレイヤー自身の知識や経験を武器に遊ぶのが特徴です。発売に先駆けてメディア向けハンズオンで触れる機会に恵まれましたので、気になる最新作の魅力をお届け!
ハンズオンでは、ゲームスタート直後のダンジョンとなる「とぐろ島」を20Fまでプレイできました。筆者はかつてスーパーファミコンで『トルネコの大冒険』にドップリとハマり、そして燃え尽きてしまったクチで、腰を据えて「不思議のダンジョン」を遊ぶのは実に約30年ぶりのこと。
本作はそんな筆者から見ても「もう一度不思議のダンジョンにチャレンジしてみたい」と思えるゲームでした。その理由は極上の「サクサク感」にあります。「キャラクターの挙動や動作が軽い」、「敵からくらうダメージがやや大きめに感じるが、HPを回復しやすい」など随所でメリハリが効いており、もしやられてしまっても「よし、もう一回やってみよう!」と思える調整だと感じました。
『風来のシレン』のナンバリング最新作は約14年ぶりのリリースとなりますが、ディープな『シレン』はもちろん、筆者のように軽くかじった程度のプレイヤーも取っつきやすい一本といえそうです。
「3割バッター」の見事なスイングに思わず声が!
ハンズオンでは、主人公・シレンの新たな冒険の舞台であり、最初に待つダンジョン「とぐろ島」・火吹山の山頂(20F)までをプレイできました。
「不思議のダンジョン」が歯ごたえのあるシリーズであるとはいえ、最初のダンジョンからいきなり難しいということはありません。さまざまな効果を持つ杖や満腹度を回復させるおにぎり、防御力を上げる盾など、順調に道具を集めながらスムーズに進んでいきました。
しかし…肝心の武器が出ない! 運が悪く、8Fまで到達してもまだ徒手空拳でしたが、“ヒキの悪さ”をいかにプレイングでねじ伏せるか(フォローするか)が本シリーズの魅力。杖や矢を駆使して、なんとかレベルを上げつつ先に進みます。
そんな時に出会ったのが新モンスターの「3割バッター」でした。見た目は「後ろ脚だけで二足歩行する、バットを構えたバッタ」であり、見るからに矢を放つと打ち返してきそうな雰囲気がプンプン……。
実体をともなわない杖の効果で攻撃すればよいのではと考えてかなしばりの杖を放ったら、それすらもスイングでそらされ、思わず「マジで!?」と声を上げて笑ってしまいました。ここからは想像ですが、打率が「3割」だからこそファールで済んだ(杖の効果がまっすぐこちらに返ってこなかった)のかもしれません。そのうち「5割バッター」とかが出てくるかもと思うとヒヤヒヤです。
「遊びやすさ」にこだわった設計が快適すぎる!
戦いでダメージを負ったら、周囲に敵がいないのを確認してから足踏み(その場から動かずにターンのみを経過させる)をしてHPを回復させるのが基本のひとつ。本作は「1ターンで確実にHPが1以上回復する」仕様になっており、最大HPが低いゆえに頻繁な「足踏み」が必要になる探索序盤のテンポがとてもスピーディーです。回復量はシレンのレベルにともなって上がるのか、レベル10程度になると1ターンにHPが2回復することもありました。
また、キャラクターやダンジョンはすべて3Dで制作されていますが、動作や挙動に重さが感じられることは一切なく、それもプレイフィールのよさに一役買っています。「サクサク挑戦し、サクサクやられ、サクサク再挑戦してほしい」というプレイサイクルを想定した調整となっており、まとまった時間を確保しづらい人も多い現代に即した調整だといえます。
ダンジョンで敵と戦うと「もののけ手帳」が随時更新されていき、各モンスターのステータスや特徴をいつでも確認できるようになるのも嬉しい仕様。なかなか先に進めないと感じるようになったら、じっくりと手帳に目を通しておくのがよさそうです。
持ち物メニューを開くことなく石や矢、杖などをZLボタン+AorBorXorYボタンで敵に投げつけられる「投げ物ショートカット」もかゆいところに手が届く機能。同じ会社の同じジャンルの作品とはいえ、やはり初代『トルネコの大冒険』から30年の月日はいい意味で大きい……と進化した遊びやすさに“『トルネコ』で燃え尽きおじさん”たる筆者もすっかりご満悦になりました。
油断すれば即・死!「不思議のダンジョン」の洗礼に見舞われる
ダンジョン内で会った行商人やお店でおにぎりなどを補充し、順調に13Fまで到達すると「デッ怪」と呼ばれる巨大モンスターが登場! 9マス分の巨体は見るからに強そうです。倒すこともできるようですが、倒したところで経験値などの見返りは大きくないとのことで今回はスルー。慎重に戦いを避けて進みます。
16Fまで到達し「ここまで来れば20Fは目前だ!」と内心でほくそ笑みつつ探索を進めていると、広間で睡眠の罠をうっかり踏んでしまい爆睡! 寝ている間にモンスターにボコボコにされ、あえなくやられてしまいました。
「“もしも”があったら怖い局面では、武器の素振りをして罠の存在を確かめながら進むのがセオリーだった」と今さら思い出してもあとの祭り。再び1Fから探索を始めるものの、あえなくタイムアップとなりました。残念!
「原点回帰」をコンセプトに要素をシェイプアップ!
シリーズ物のゲームは作品を重ねるごとに要素が増えて複雑化することがありますが、本作は「不思議のダンジョンという遊びの魅力の根源はどこにあるのか」に立ち返り、要素を増やすだけでなくシェイプアップも実施。原点回帰ともいえる、遊びやすい1本を目指して最終調整が続けられています。
2020年にSwitchでリリースされた『不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス』は拠点とダンジョンの往復を繰り返しながら少しずつ先へと進むスタイルでしたが、本作はそれ以前の作品のように“一発解き”ができるとのこと。
一発解きは自身の知識や経験を武器に、さらに運をも味方につけてダンジョンから戻ることなく“一発で”クリアしてみせるプレイです。熟練の『シレン』ファンの方は、やりがいがあるのではないでしょうか。
同時に、階層が浅めで挑戦しやすいダンジョンも数多く用意されているそうで、幅広いプレイヤーが楽しめそうです。ニンテンドースイッチ『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』は2024年1月25日(木)に発売予定です。
(蚩尤)