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意外なキャスティングで成功? マンガ原作映画の傑作『シティーハンター』ほか5選

クールな主人公が、人間味たっぷりのキャラに

『ヒルコ 妖怪ハンター』
『ヒルコ 妖怪ハンター』

 ビッグスターによる意外な実写化映画の一番手として挙げたいのが、沢田研二主演のホラー映画『ヒルコ 妖怪ハンター』(1991年)です。カルト的な人気を誇る孤高の漫画家・諸星大二郎の「妖怪ハンター」シリーズを、インディーズ映画『鉄男』(1989年)で国際的に注目を集めていた塚本晋也監督が実写化したものです。

 異端の考古学者・稗田礼二郎は原作では非常にクールな主人公ですが、沢田研二は人間味のあるキャラクターとして稗田を演じており、原作ファンに新鮮な印象を与えました。襲い掛かる怪物に対し、稗田はビビりながらも殺虫剤で応戦するなど、コミカルなシーンが盛り込まれています。

 奇想に富んだ諸星大二郎のコミックは、やはり「妖怪ハンター」を原作にした阿部寛主演作『奇談』(2005年)、堺雅人が主演した『壁男』(2007年)が実写映画化されています。壮大なスケール感ゆえに実写化が難しい諸星作品ですが、塚本監督が撮った『ヒルコ』は、ホロ苦い青春映画としての輝きも感じられる作品となっています。劇場公開時には興行結果が残せませんでしたが、再評価されていい映画でしょう。

人気女優の幻のデビュー作

『1999年の夏休み』
『1999年の夏休み』

“少女漫画界の巨星”、萩尾望都の代表作のひとつである『トーマの心臓』は、金子修介監督によって実写映画化されています。厳密には原作ではなく、原案的な扱いで、タイトルは『1999年の夏休み』(1988年)となっています。

『トーマの心臓』はドイツの寄宿学校を舞台に少年たちの危うい関係を描いたものですが、『1999年の夏休み』は夏休みを学生寮で過ごす4人の美少年たちを、デビュー間もない10代の新人女優たちが演じるという奇抜な配役となっていました。

 原作の主人公・トーマにあたる悠役は、現在は声優としての活動が多い宮島依里が演じています。4人の美少年のなかで、より注目したいのは甘えん坊の則夫を演じた水原里絵です。この名前を聞いてもピンと来ない人が多いかもしれませんが、現在も演技派女優として活躍する深津絵里のデビュー時の芸名でした。深津絵里は撮影時13歳。ショートヘアに短パンというボーイッシュな姿なのに、なぜか太ももには黒いガーターベルトが巻かれ、倒錯的な匂いを感じさせます。

 のちに藤原竜也&松山ケンイチ主演映画『デスノート』(2006年)を大ヒットさせることになる金子監督ですが、『1999年の夏休み』の企画は大学時代に映画サークルの先輩・押井守監督から勧められて『トーマの心臓』を読んだことがきっかけだったそうです。萩尾望都の短編マンガ『マリーン』も参考にしているように思えます。閉鎖的な学校空間が舞台、繰り返される物語などの特殊な設定は、押井監督の人気作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)にも通じるのではないでしょうか。

【画像】まだまだある! キャスティングが光る、マンガ原作の実写映画作品(10枚)

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