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映画『殺さない彼と死なない彼女』は号泣必至! 愛おしい青春の日々を深くえぐる群像劇

映画『殺さない彼と死なない彼女』が2019年11月15日(金)に公開され、Twitterでも「ハンカチ必須」「笑いあり涙ありでほっこりしつつ、感動する作品」と大きな反響を呼んでいます。原作は、Twitterで連載されていた世紀末氏による同名四コママンガ。切なくリアルに交差する登場人物3ペアの、それぞれの行く末とは……。

タイトルの本当の意味とは? まぶしくも痛く胸に迫る、青春の陰と光

映画『殺さない彼と死なない彼女』 (C)2019 映画「殺さない彼と死なない彼女」製作委員会
映画『殺さない彼と死なない彼女』 (C)2019 映画「殺さない彼と死なない彼女」製作委員会

 Twitterで連載され反響をよんだ四コママンガを原作とした映画『殺さない彼と死なない彼女』が2019年11月15日(金)に公開され、「こんなに泣けるとは思わなかった」と、大きな反響が寄せられています。

 第32回東京国際映画祭特別招待作品にも選ばれて注目の集まる同作品。「死にたい」が口癖の高校生・なな(桜井日奈子)は、ひょんなことから「死ね」「殺す」が口癖の同級生・小坂(間宮祥太朗)と話すようになります。どこか陰のあるふたりですが、学校から一緒に帰るようになるなど徐々に心の距離を縮めていきます。喧嘩やすれ違いを乗り越え、「大学どこに行く?」など「未来の話」をするようになる2人ですが、物語は意外な展開に。

 ななと小坂のふたりに加え、魅力的な登場人物が次々と出てきます。モテるのに男性と上手く向き合えないきゃぴ子(堀田真由)、きゃぴ子を冷静に側で支える親友の地味子(恒松祐里)、「好き」という気持ちがわからない八千代(ゆうたろう)、「好き」と毎日八千代にアタックする撫子(箭内夢菜)。ななと小坂の物語を中心に、キャピ子と地味子、八千代となでしこの物語も交互に語られ、その意味が物語が進むにつれ明らかになります。

 登場人物6人のなんでもない日常が描かれる作品ですが、「ひとりは我慢できたけど、孤独は耐えられないわ」「私のことなんか好きにならないあなたが好きよ」など、切ない気持ちを鋭く切り取るセリフがちりばめられており、観る者の心に静かに残ります。日常の描写を通して、6人それぞれの心にある「傷」が、ゆっくりとあぶりだされてくるのです。

 同時に、青春のキラキラとした部分やピュアな感情にときめいたり、笑ったりする場面も。6人それぞれの喜怒哀楽を一緒に楽しむことができる反面、楽しめば楽しむほど終盤の展開では涙が止まりません。劇場でも、あちこちから鼻をすする声が聞こえました。

 Twitterでは、「ちょっと信じられないくらいの傑作」「過去一泣く映画」などの呼び声が高く、期待値も充分。最後まで観ると、タイトルのもう一つの意味が分かります。ただの青春ドラマと思って見過ごすことなく、死にたくなるほど辛い思いをしたことがある人や、大事な人がいる人にこそ、ティッシュを片手に観ていただきたい作品です。

(新美友那)

【画像】Twitterで反響、すべての孤独を癒すマンガ『殺さない彼と死なない彼女』

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