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劇場版『セーラームーンR』30周年 『エヴァ』にも影響を与えた「歴史的」キャスティングとは

TV版の大きなヒットによって製作された『劇場版美少女戦士セーラームーンR』のクオリティは、ファンの間では「最高傑作」と言われるほど高い評価を受けています。しかも、他の作品に与えた影響も大きなものがありました。

単に「ヒット」しただけではない? 大きな功績

『劇場版美少女戦士セーラームーンR』DVD(東映ビデオ)
『劇場版美少女戦士セーラームーンR』DVD(東映ビデオ)

 本日12月5日は、1993年に『劇場版美少女戦士セーラームーンR』が公開された日。今年2023年で30周年になります。今なお『セーラームーン』を語るうえで、話題にのぼることの多い本作について振り返ってみましょう。

 本作はTVアニメとして当時ブームとなっていた『セーラームーン』初の劇場版です。当時のTVアニメでは第2部『美少女戦士セーラームーンR』を放送中、ちょうど「ブラックムーン編」の中盤あたりでした。

『セーラームーン』は一大ブームになるほどの人気作でしたが、当時はまだ女児向けアニメ作品に対する世間的な評価は低く、公開時期も二転三転したそうです。結果的に、東映アニメ作品の看板であった「東映アニメフェア」が春休みと夏休み公開だったことから、その空いた枠である冬休み・正月映画として公開が決まりました。

 本作は配給収入13億円、1994年の邦画配給収入7位を記録するヒット作品となります。このヒットを受けて『セーラームーン』の映画は翌年も続くことになりました。それゆえ本作は2年目に入っていた『セーラームーン』ブームを、一般に大きく認知させた作品だと言えるかもしれません。

 その内容も劇場版に相応しいクオリティの高い作品でした。映像、音楽、ドラマ、どれもがファンからの評価は高く、TV版も含めて「アニメ『セーラームーン』の最高傑作」という人もいます。そのことは、近年に行われたNHK番組『発表!全美少女戦士セーラームーンアニメ大投票』において、「あなたの好きなエピソード」部門で第1位を獲得したことからもわかるのではないでしょうか。

 この作品が他の作品に与えた影響として、特筆されることが多いのが、「庵野秀明さんが映画館で3度観るほど感銘を受けた」という逸話です。本作で庵野さんは地場衛の子供時代を演じていた声優の緒方恵美さんに注目しました。そして、企画中だった『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ役は緒方さん以外にいないと思ったそうです。

 本作では、子供時代の衛は特に繊細な部分がクローズアップされていて、当時『幽☆遊☆白書』の蔵馬役でブレイクしていた緒方さんの演技とは異なる部分が多々見れました。この点を踏まえると、本作が後の『エヴァ』ブームに大きな影響を与えたと言えるかもしれません。

 このように、さまざまな分野に大きな影響を与えた『劇場版美少女戦士セーラームーンR』のどこが多くの観客を魅了したのか、具体的に解説していきましょう。

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