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令和なら炎上確実? 大胆すぎる「原作ガン無視」で成功を収めたアニメ3選

原作とアニメの内容がなにひとつ一致しない?

画像は「ギャラクシーエンジェル Blu-ray Box」(バンダイビジュアル)
画像は「ギャラクシーエンジェル Blu-ray Box」(バンダイビジュアル)

 1994年から放送された名作変身魔法少女アニメ『赤ずきんチャチャ』も、原作と大きく異なる内容でアニメ化された作品でした。まず、月刊誌「りぼん」で連載されていた原作マンガは、変身魔法少女モノではなく、魔法使いのたまごであるチャチャとその仲間たちによるドタバタコメディです。

 ところが玩具を売りたいスポンサーの意向で、「マジカルプリンセス」に変身して敵キャラと戦う変身魔法少女アニメに変貌しました。当時はちょうど『美少女戦士セーラームーン』が人気を博していた時期だったので、その影響もあるのかもしれません。のちに原作の内容を知ったアニメファンからは、「原作って変身しないの!?」といった驚きの声も聞こえてきます。

 とはいえ原作にはアニメのオリジナルキャラが逆輸入される形で登場しているため、原作者の彩花みん先生も、変身魔法少女モノになったアニメ版を悪く思っていなかったのではないでしょうか。

 2000年代前半のオタク文化を象徴するような伝説的アニメ『ギャラクシーエンジェル』も、原作とアニメの内容がなにひとつ一致しない作品として有名です。時系列的にはアニメが先ですが、もともとはゲームの企画として出発したため、2002年に発売されたゲーム版を原作とします。そしてこのゲーム版は、実はそこそこ真面目なスペースオペラでした。

 一方、広く知られているアニメ『ギャラクシーエンジェル』はというと、ハイテンションなSFギャグコメディで、ゲーム版とは180度違う作風です。しかしこうなったのには、とある事情がありました。

 その理由をざっくりと説明すると、ゲーム版の販促として作るにはアニメ版の尺があまりにも短すぎたためだったようです。OPやEDを除くと10分ちょっとの尺しかなく、これではゲーム版のような壮大なスペースオペラを忠実に再現できないということで、思い切ってギャグアニメとして舵を切ったとされています。その結果、パロディあり、カオスあり、メインキャラが死んでもBパートでは普通に生きているという、何でもありのギャグコメディと化しました。

 ちなみに『ギャラクシーエンジェル』のエグゼクティブプロデューサーである木谷高明氏は、のちに『探偵オペラミルキィホームズ』を生み出しましたが、そこには「『ギャラクシーエンジェル』と『名探偵コナン』を足して二で割ったようなものを作りたい」との思いがあったそうです。そんな『探偵オペラミルキィホームズ』が『ギャラクシーエンジェル』と同じように、ゲーム版とアニメ版でまったく内容が異なる作品となったのも、何かの因果のように思われます。

 原作の魅力を引き出すことはアニメ化において大事なことですが、そもそもアニメ作品として純粋に「おもしろい」ということも重要な要素です。結果的にアニメと原作にとってwin-winになれば、これも幸せなアニメ化のひとつの形といっても良いのではないでしょうか。

(ハララ書房)

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