『ルパン三世』のルーツ? いま観ても斬新な、3本の元ネタ実写映画
怪盗アルセーヌ・ルパンの孫息子が活躍するマンガ『ルパン三世』は、1967年から「漫画アクション」での連載がスタート。1970年代にTVアニメーション化されたことでファンを増やし、今なおその人気は衰えていません。国民的怪盗はどのようにして誕生したのでしょうか。『ルパン三世』の元ネタとされている実写映画を紹介します。
ルパンによく似たサル顔俳優とは?

「奴はとんでもないものを盗んで行きました。あなたの心です」
宮崎駿監督の劇場デビュー作『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)で、銭形警部が口にする名台詞です。2019年4月に亡くなった漫画家モンキー・パンチ氏が生み出したキャラクター「ルパン三世」は、誕生から52年を経て現在も大人気です。11月29日(金)の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)では、オリジナル新作アニメ『ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト』がオンエアされ、12月6日(金)からは山崎貴監督による3DCGアニメ『ルパン三世 THE FIRST』が劇場公開されます。
日本人のハートは、ルパン三世に奪われっぱなしですが、過去には目黒祐樹主演による『ルパン三世 念力珍作戦』(1974年)や小栗旬主演版『ルパン三世』(2014年)といった実写映画も作られています。正直なところ、実写版の評価はあまり高くないのですが、それはやはりモンキー・パンチ氏が生み出し、アニメ化されていくなかでより洗練されていった「ルパン三世」たちのキャラクターがあまりにも個性的だからでしょう。そんな「ルパン三世」の世界観に、大きな影響を与えたとされている実写映画を紹介します。

原作マンガ『ルパン三世』は、1967年8月に創刊された「漫画アクション」の創刊号から連載がスタートしました。ルパンファミリーの紅一点、峰不二子は、人気スパイ映画「007」シリーズの歴代ボンドガールたちからインスパイアされたキャラであることをモンキー・パンチ氏は語っています。では、主人公であるルパン三世にはモデルはいたのでしょうか?
ルパン三世の女好きな性格は、「007」シリーズのジェームズ・ボンドの影響を受けているようです。でも、初代ジェームズ・ボンドを演じていた英国俳優ショーン・コネリーは、ルパン三世の外見とはあまり似ていません。ルパン三世のサル顔なところは、フランス・イタリア合作映画『リオの男』(1964年)に主演したジャン・ポール・ベルモンドにかなり似ています。
『リオの男』は財宝をめぐるコメディタッチの冒険ものです。また、日本語の吹き替えはルパン三世の初代声優・山田康雄が担当していたこともあって、ルパン三世のモデル=フランスの人気俳優ジャン・ポール・ベルモンドは有力な説として語られています。