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クソゲー扱いに異議あり「過小評価されがち」なファミコンソフトを今さら擁護してみた

「クソゲー」呼ばわりされるファミコンゲームは数あれど、当時実際に楽しんでいたプレイヤーからすると、安易にそう断じられては……個人的に好感を持っていた「クソゲー」扱いされているゲームを、主観をもとに擁護します。

「面白かったのに…」クソゲー扱いされていることに納得いかない!

画像は「ファミリーコンピュータ」(編集部撮影)
画像は「ファミリーコンピュータ」(編集部撮影)

「クソゲー」という用語を調べてみると、「低品質でつまらないゲーム」「初めから詰んでいるようなゲーム」を酷評するときに用いる言葉だそうです。

 平凡な家庭に育ったファミコン世代の筆者にとって、ゲームソフトの購入は年に数度あるかどうかの一大事でした。そのため、たとえ手に入れたゲームが少々、肌に合わなかったり、難しすぎたりしても、「クソゲー」と断じて簡単に投げ出すことなど到底できなかったのです。

 それに当時、楽しんで遊びまくったファミコンソフトが「クソゲー」扱いされていることも少々、納得がいかないので、それらのタイトルの良さや面白かった部分について、主観100%で振り返ります。

●主人公は虚弱体質? 『スペランカー』

「クソゲー」の話題になると、必ずと言っていいほど名前を挙げられるのが、ファミコンの『スペランカー』(アイレム)です。「ちょっとした段差で死ぬ」「コウモリのフンがかすっても死ぬ」など、主人公の虚弱体質がネタ扱いされ、その印象が強く残っているせいかもしれません。

 しかし、実際に『スペランカー』をプレイした人なら、「クソゲー」扱いされるほど酷いゲームではなかったことが分かるはずです。たしかに主人公が死にやすいので、ジャンプ時などはデリケートな操作を求められますが、1985年当時のファミコンのアクションゲームとしては問題の少ない部類だと思いました。

 それよりも探検がモチーフなだけに隠しアイテムがたくさんあり、試行錯誤しながら先に進むためのギミックを突破していくワクワク感や楽しさが上回ります。一度聴いたら忘れられないキャッチーなBGMも大好きで、『スペランカー』のことを思い出すたびに脳内には「あの音楽」が流れ出します。

●お子様には早すぎた『バンゲリング ベイ』

 1985年2月にファミコン版が発売された『バンゲリング ベイ』(ハドソン)のことを「クソゲー」と呼ぶ人もいるようです。同世代の友人からも「ヘリの操作がシンプルに難しかった」「ゲームの意味が分からない」といった声を聞き、どうやらそのあたりに理由がありそうです。

 なかには「IIコンのマイクで『ハドソ~ン!』と叫んだ記憶しかない」という悲しい意見もありました。

 しかし、これはゲーム自体の問題ではなく、大半のファミコンキッズが説明書を読まずにプレイしていた影響が大きいと思われます。

 空母で補給を受けながら、自機のヘリコプターで工場を爆撃するという『バンゲリング ベイ』のゲーム性は、当時のチビっ子には難しかったのは確かです。自分も『バンゲリング ベイ』のレクチャーをしてくれた伝道師のような友人がいなかったら、おそらく理解できなかったことでしょう。

 それもそのはず、当時のシューティングゲームといえば、シンプルに敵機を撃墜するだけのゲームがほとんどだった時代です。実際『バンゲリング ベイ』と同じ日に、『ギャラガ』(ナムコ)のファミコン版が発売されました。

『バンゲリング ベイ』の場合、シューティング的な要素はおまけ程度で、どちらかというと戦略性が求められるストラテジー系のゲームだと思ったほうが適切です。

 工場に爆弾を落として破壊するのが目標で、その間に拠点となる空母が敵に攻撃されたら防衛のために戻ったり、建造中の敵戦艦(完成し自軍空母と同じ画面に入ると、空母が撃沈される)を破壊したりと、状況に応じて考えなくてはならない要素は多岐にわたります。

 それを当時のファミコンキッズたちに「しっかり説明書を読んで理解しろ」というのは無理難題だったのです。「よく分からない」という第一印象が、現在の「クソゲー評」につながっているのだとしたら、本当に悲しいことですね。

 そう思うと『バンゲリング ベイ』は、ファミコンで生まれるのが早すぎたゲームだったのかもしれません。

【画像】ファミコン世代は覚えてる? クソゲー扱いに意義を申し立てたいゲーム画像(8枚)

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