クソゲー扱いに異議あり「過小評価されがち」なファミコンソフトを今さら擁護してみた
伝説の野球ゲームの「クソゲー」評に反論!

●この手の話題ではレジェンド! 『燃えろ!!プロ野球』
「クソゲー」との呼び声が高い『燃えろ!!プロ野球』(ジャレコ)が発売されたのは1987年6月のことです。小学生の間での野球人気は今の比ではなく、放課後に友達と集まって実際に野球をするか、野球ゲームで遊ぶのが定番の流れでした。
そして当時のファミコンにおける野球ゲームといえば、任天堂の『ベースボール』やナムコの『ファミスタ』のような、デフォルメされた選手を操作するものが主流です。そうしたところに突如、現れたのが、リアル志向の『燃えろ!!プロ野球』でした。
ゲーム開始と同時に聞こえる「プレイボール!」という合成音声に衝撃を受け、TVの野球中継のようなアングルで表現されたリアルなグラフィックを見て盛り上がった日は忘れられません。
おそらく「クソゲー」と呼ばれるようになったのは、有名な「バントでホームラン」をはじめ、不可解なバグが多かったあたりが理由でしょう。しかし、自分の周囲ではこうしたバグを見てゲラゲラ笑いながら対戦を楽しみ、しばらくの間は『ファミスタ』以上に『燃えろ!!プロ野球』で盛り上がったのは事実です。
「クソゲー」の意味するところが「低品質でつまらないゲーム」であるなら、私にとっての『燃えろ!!プロ野球』は「質の低い部分はあるにせよ、先鋭的な部分もあり、総じて面白かったゲーム」といえます。
だからこそ、個人的には「クソゲー」と酷評する方向の意見には賛同しかねます。自分たちの間では、今風に言うなら「バカゲー」として愛され、思いきり楽しんだ記憶が残っているのが『燃えろ!!プロ野球』だったのです。
実際にゲームに触れてみると、世間の評判とは異なる感想を抱くことはよくあります。「クソゲー」の言葉に惑わされず一度遊んでみたら、案外、自分に合ったゲームが見つかるかもしれません。
(大那イブキ)