ウルトラマンの初対戦怪獣「ベムラー」は不遇? 重要なのに不人気な理由とは
初代『ウルトラマン』で最初の相手として立ちはだかった宇宙怪獣「ベムラー」は、全怪獣を対象とした人気投票の結果から「不人気だ」という声もあがっています。そんな「ベムラー」について振り返りましょう。
重要なポジションも意外とランキングは低い?
1966年の放送から始まったウルトラシリーズは、今もなお多くのファンから愛され続けています。そんな初代『ウルトラマン』の第1話「ウルトラ作戦第一号」で、ウルトラマンの記念すべき最初の相手として立ちはだかったのが、宇宙怪獣ベムラーです。
そもそもベムラーは「宇宙の墓場」へと連行されている際に逃亡し、それをウルトラマンが追いかけてたどり着いた先が地球でした。「ウルトラマンを地球に呼び寄せた」という大事な役割を担ったベムラーですが、2022年にNHKが実施した「全ウルトラマン大投票(総数約35万5千票)」の「ウルトラ怪獣部門」では、109位という結果でした。怪獣全体で見ればそう低くないとはいえ、「人気の」とは、ちょっと言えない順位でしょう。
ちなみに、平成シリーズの1作目『ウルトラマンティガ』の第1話に登場した怪獣はゴルザとメルバですが、後の扱いの差が影響したのか、両者の投票結果には明暗が分かれてしまっています。その話のうちに倒されてしまったメルバが198位タイなのに対し、生き延びて第18話「ゴルザの逆襲」で再登場を果たしたゴルザは54位でした。
また『帰ってきたウルトラマン』第1話「怪獣総進撃」で倒されてしまったアーストロンは186位、1話に続き2話にも続投したタッコングは63位と差があることを考えても、やはり1話しか登場していない怪獣は印象に残りにくいのでしょう。
ランキングの結果だけを見ると、決して人気は高くないベムラーですが、その扱いは必ずしも不遇とは言い切れません。
ゲスト出演でいえば2014年放送の『ウルトラマンギンガS』に始まり、2015年放送の『ウルトラマンX』や2016年『ウルトラマンオーブ』に2019年『ウルトラマンタイガ』、さらに2022年『ウルトラマンデッカー』とコンスタントに登場しています。
そしてベムラーの名前がウルトラマンの初期案だったタイトル『科学特捜隊ベムラー』が由来なこともあってか、作品によっては重要なポジションを与えられていることもあります。例えば初代『ウルトラマン』の数十年後を舞台としたマンガ版『ULTRAMAN』では、かつてウルトラマンと融合していたハヤタ・シンの息子である早田進次郎が主人公として登場し、その宿敵の名前もベムラーでした。
その注目度の低さや人気投票での結果から不人気と呼ばれることもあるベムラーですが、いまいち印象に残りにくいだけで、実は大切に扱われているという一面もあるのです。今後のウルトラシリーズにも、重要な場面でベムラーが再登場することもあるかもしれません。
(LUIS FIELD)