HoYoverse最新作『ゼンレスゾーンゼロ』はシンプル操作で爽快アクション! 「狭く深く」なゲーム体験がクセになる【プレイレポ】
『原神』や『崩壊:スターレイル』に続くHoYoverseの最新作として、ゲームファンを中心に関心を集めている『ゼンレスゾーンゼロ』。来年の正式サービスに先駆けて行われたクローズドベータテストの体験を通じて、本作の魅力に迫ります。
独特な世界観と、雄弁に描写するこだわりの表現
HoYoverseは、『原神』や『崩壊:スターレイル』など、話題性の高いヒット作で大きな注目を集めています。その勢いは今もなお止まらず、新たなアクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』も、多くのゲームファンから関心が寄せられており、目が離せない作品のひとつです。
『ゼンレスゾーンゼロ』の正式サービスは2024年を予定しており、その全容はまだ見えません。ですが、第2回クローズドベータテストにあたる「吸音テスト」が、現在開催されています。『ゼンレスゾーンゼロ』の魅力を直接体験できる、貴重な機会となりました。
しかしクローズドベータテストのため、プレイできるのは一部の人に限られます。そこで今回、この「吸音テスト」に参加した1プレイヤーの視点からその体験を綴り、お届けします。このプレイレポートから、『ゼンレスゾーンゼロ』が持つ魅力を垣間見てください。なお、環境はPC版でのプレイとなります。
●「ホロウ」を中心とする、特徴的な世界観
『崩壊:スターレイル』は銀河を駆け巡り、『原神』はオープンワールドと、方向性はそれぞれながら壮大な世界を描く作品でした。ですが、『ゼンレスゾーンゼロ』の時代設定は近未来で、「新エリー都」と呼ばれる街が舞台となります。
上記の作品と比べると、その規模はやや小さく感じるかもしれません。ですが、迷い込んだ人間が化け物に変じてしまう危険な空間「ホロウ」という自然災害に襲われており、侮れない危険がはびこる世界になっています。
そして、この「ホロウ」に迷い込んだ人を助けたり、危険地域の調査から案内役までさまざまな依頼を請け負うのが、主人公である「アキラ」と「リン」の兄妹です。こうした仕事を行う「プロキシ」として「ホロウ」に関わりながら、プレイヤーの目となって物語を見届けます。
広大な世界を実際に移動する『原神』や、星々を渡る星穹列車に乗る『崩壊:スターレイル』と比べると、『ゼンレスゾーンゼロ』の世界は、「ホロウ」という異変があるものの、それを受け入れた上での日常と非日常で成り立っています。
そのため、壮大な世界を味わえるとは言えませんが、この「ホロウ」に関わる人間たちの物語を描く本作は、狭い分だけ深みがあり、人間関係も含めた濃密な世界が楽しめる構造になっています。
●ムービーと一枚絵の「合わせ技」で、ストーリーを雄弁に表現
『ゼンレスゾーンゼロ』の物語は、見ごたえのあるムービーと一枚絵によって、雄弁に表現されます。ムービーシーンでは、登場人物の個性に合わせたアクションも多く、見る者の目を惹きつけます。ですが、一枚絵のこだわりぶりも、決して見逃せないポイントです。
ムービーのようなリアルタイムなアクションがないため「一枚絵」と表現していますが、動きのないイラストをそのまま出すわけではありません。アニメ調で描かれた絵は、セリフが吹き出しで添えられたり、状況進行に応じてコマ割りが入ったり、キャラクターの表情変化を連続で描画したりと、マンガのような表現でプレイヤーを惹きつけます。
また、コマ割りを除いたとしても、1シーンにおける一枚絵の使用枚数はかなり多く、逐次変化する状況に応じて、新しい一枚絵が次々と出てきます。まるで、デジタルコミックそのものを読んでいるような感覚に襲われるほどです。
かと思えば、ビルからの落下といった激しい動きの場面では、3Dキャラが激しくアクションするムービーシーンへと移行。見せ場によって表現を変えながら展開するストーリーは、こちらの好奇心を心地よく刺激してくれます。
●街の散策も楽しく、作り込みに満足
『原神』や『崩壊:スターレイル』でも定評のある優れたキャラクターデザインは、この『ゼンレスゾーンゼロ』でも健在です。しかも、2Dの一枚絵、ダイナミックなムービー、そして街なかやバトルでお目にかかる3Dモデルなど、その魅力を多彩な切り口で楽しませてくれるのも、本作が持つ魅力のひとつと言えます。
主人公は「アキラ」と「リン」ですが、このふたりを直接操作するのは、主に街なかを移動する散策パートに限られます。「プロキシ」の仕事を行う拠点として、表向きはビデオ屋を営んでいますが、このビデオ屋がある街周辺の散策を、プレイヤーの操作で行います。
この街にはさまざまな施設があり、それらもゲーム攻略に欠かせない重要な要素です。例えばラーメン屋や喫茶店では、戦闘やリザルト報酬が有利になるバフが得られます。お金はかかりますが、手ごわい敵との戦いに備えたり、効率的に報酬が欲しい場合、施設の活用を視野に入れたいところです。
またゲーム店では、今回のテスト段階でもふたつのゲームを実際に遊ぶことができました。掘り進める「ソウルハウンドIII」ではアクションパズル的な面白さを、そして限られたスペースで自機を可能な限り伸ばしていく「スネーク・デュエル」では判断力と反射神経が問われるアクション性を、それぞれ味わえます。ゲーム内ゲームながら、かなり凝った作りになっており、単なるミニゲームとは侮れない完成度です。
このほかにもさまざまな施設が用意されているほか、ふたりに仕事を頼む依頼人や、信頼関係を育むキャラクターとの出会いなど、この世界との接点を感じる要素も詰め込まれています。
街並み自体も細かく作られており、『ゼンレスゾーンゼロ』への没入感を後押しし、この世界への手応えを感じさせてくれる要素と言えるほどです。この街に馴染んでいくことで、『ゼンレスゾーンゼロ』への愛着が増していくことでしょう。