HoYoverse最新作『ゼンレスゾーンゼロ』はシンプル操作で爽快アクション! 「狭く深く」なゲーム体験がクセになる【プレイレポ】
アクションに特化した『ゼンレスゾーンゼロ』のゲーム性とその感触とは

危険な地域と化した「ホロウ」の攻略は、ブロック単位で構成された2Dマップから始まります。無害なブロックもあれば、リソースが得られるもの、恐るべき敵が待ち受けているものなど、多種多彩なブロックが待ち受けており、その構成で「ホロウ」の危険度を表現しています。
あえて一般的なゲームで例えるならば、この「ホロウ」マップは、ダンジョン攻略に当たる部分と言えるかもしれません。ブロックで表現されたルートの先には、宝箱があったり、敵が待ち受けていたり。時には、先を阻むギミックと、それを解除する仕掛けが待ち受けることもあります。

ブロックで表現された2Dマップの探索は、隠されている部分もありますが、基本的には見た目だけでその内容も判別できます。またギミックも、少なくとも今回のテストの範囲では複雑なものはなく、心地良い程度の思考でクリアできるものばかり。
個人的な感触としては、ストレスになるほどの複雑さはなく、飽きを感じさせるような単調さでもない、絶妙なバランスだと感じました。ゲーム性の核となるアクションパートに関連付ける要素として、ほどよいスパイス的な存在です。
●操作はシンプル、なのにアクションは豊富! 心地よいバトルパートがクセになる

「ホロウ」探索中に出来と出会うと、バトルパートに移行します。ここで操作するのは、事前に編成した最大3人のエージェントたち。「アキラ」と「リン」はあくまでサポート役で、バトル中は編成したエージェントを切り替えながら戦います。
今回はPC版のプレイだったため、操作はマウスとキーボードで行いました。視点の移動、通常攻撃、回避はマウスで行い、キャラの移動やスキル発動はキーボード側で操作します。
攻撃の基本は、左クリックによる「通常攻撃」です。連打するだけでコンボが決まるので、簡単操作でも気持ちよく戦えます。また、敵の攻撃を避ける「回避」は右クリックだけでOK。通常の攻撃と避けは、片手の指2本の使い分けだけで済むので、かなり直感的に動かせます。

また通常攻撃は、単なるコンボだけに留まらず、敵を一時的に行動不能にする「ブレイクゲージ」の蓄積も可能です。このゲージが溜まり切ると、敵は無防備な状態になり、一気に攻めるチャンスになります。しかも、この時に特殊な効果を持つ攻撃を当てると「連携スキル」が発動し、エージェントが入れ替わりつつ強力な攻撃を発動。そのまま再度条件を満たすと、再度「連携スキル」が発動します。
しかし、こうした説明だけだと、どんなプレイ感なのか逆に想像しにくいことでしょう。そこで、ここまでの情報を前提にしつつ、実際のプレイ感を再現しながらお伝えします。まず、敵と出会ったら通常攻撃。近接系のエージェントでもある程度踏み込んで攻撃してくれるので、多少距離があっても問題ありません。

左クリックを連打するだけで、さまざまなモーションで繰り出す連続攻撃に繋がります。ただし、敵は複数で登場することが多く、ただ連打しているだけでは格好の的。攻撃しつつも、敵の攻撃を見極めて右クリックでの回避が基本です。
敵が攻撃する際は予兆があるので、それに合わせて動くと避けやすくなります。また、回避成功直後に攻撃を行うと、特別な効果を持つ反撃になるので、戦いはより有利に。
こうして攻撃を繰り返し、「ブレイクゲージ」を溜めきると、敵が無防備になります。ここでさらに攻撃を重ねていくと「連携スキル」が発動し、エージェントが3人いる場合はどちらにするか選べます。選択後は強力な攻撃を放ちつつ、選択したエージェントにチェンジ。近接から遠距離に切り替えたり、広範囲を攻撃できたりと、組み合わせ次第で戦略が一気に広がります。

戦局が次々に変化していきましたが、この流れで最低限操作するのは、マウスの右ボタンと左ボタンだけ。特殊なスキルの発動、立ち位置の移動、任意でのエージェント切り替え等はキーボード側の操作も必要ですが、攻撃と回避だけならマウス側のボタンのみで事足ります。
それでいて、ブレイクゲージ溜めや連携スキル発動、エージェントのチェンジなど、視覚的な変化も大きく、バトルの上でも有効な効果が得られるので、労力に対する爽快感の大きさは想像以上。「簡単操作で気持ちいい」という定番の売り文句を、これ以上ないほど爽快かつ豪華に体験させてくれます。
それでいてアクション性が低いかといえば、それは全く違います。安易な攻撃連打だけでは、あっさりと返り討ちにあいます。戦況に応じた判断を下しつつ、その実行は直感的でシンプルな操作で可能。この両立こそが、『ゼンレスゾーンゼロ』における最大の魅力だと感じました。

ビジュアルから物語の描写までこだわりが感じられ、狭いながらも濃密な世界にいる実感や、手応えのある「ホロウ」攻略が楽しめる『ゼンレスゾーンゼロ』。特に、核となるアクションパートの気持ちよさは、テスト版の範囲でも十分伝わる刺激的な体験でした。
ですが、全てにおいて満点、と言えない点もいくつかありました。まず、キャラクター同士のやりとりは、本作独自の専門用語も多く、すんなりと頭に入ってくるとは言えません。

また、「アキラ」と「リン」は周囲にいるキャラクターとの人間関係がすでに出来上がっているので、全く知らないプレイヤー視点だと置いてけぼりになる感じも少なからずありました。
バトル中のアクション全般は良く出来ていますが、攻撃を回避を行うマウスで視点移動も行うため、視点変更時はどうしても攻撃などが疎かになりがちでした。また視界外からの攻撃も多く、一応予兆はあるとはいえ、避けにくいのも事実でした。
こうしたいくつかの問題点もありましたが、バトルに関してはコントローラー対応だけでかなり遊びやすくなりそうです。専門用語や人間関係は、遊び続けていくうちに慣れていく範疇かもしれません。

こうした細かい点を除けば、シンプルな操作から想像がつかないほど、『ゼンレスゾーンゼロ』は多彩なアクションで楽しませてくれました。その楽しさは、エージェントが実装されるほど、さらに盛り上がっていくことでしょう。本作の将来性を十分感じさせてくれる、そんなデータテスト体験になりました。
(臥待)