SEGAっ子の憧れ! 夢とロマンが詰まった「メガドラタワー」という強烈な個性
2001年に「セガ」は家庭用ゲーム機ハード事業から撤退しましたが、個性的あふれるハードは根強い人気を誇ります。なかでも、いち早く16ビットCPUを搭載した「メガドライブ」は、一時は北米でトップのシェアを獲得したほどのゲーム機でした。そのメガドライブの周辺機器をひとまとめにした、「伝説の形態」の存在をご存知でしょうか。
メガドライブを中心に、さまざまな周辺機器がドッキング!

現在、家庭用ゲームソフトやソーシャルゲームなどの開発を主に行う「セガ」は、2001年に家庭用ゲーム機ハード事業から撤退しました。しかし、かつて発売されたセガのゲーム機には根強いファンが多く、いまだに愛され続けています。
とくに1988年に発売された「メガドライブ」は、日本以上に海外で大ヒットしました。北米では一時、任天堂のSNES(スーパーファミコン)と好勝負したほどの人気を集め、世界中に「セガ」の名を知らしめたゲーム機といえるでしょう。
そんな「メガドライブ」の特徴のひとつに、「拡張性」の高さが挙げられます。「メガCD」「スーパー32X」といった拡張機器をゲーム機の本体に接続することで、プレイ可能なゲームの幅を広げることができました。
そして、そのような拡張機器を「メガドライブ」に装着していくことで、原型が分からなくなるほどの変貌を遂げます。
ドッキングする機器が増えるたびに「メガドライブ」の全高が増していき、複数のパーツが積み重なった異様な姿は「メガドラタワー」の愛称で親しまれ、セガファンの憧れでもありました。
その「メガドラタワー」を完成させるには、まずは1段目(一番下)に「メガCD」を置き、その上に「メガドライブ」を接続します。「メガCD」と「メガドライブ」を接続することでCD-ROMが使えるようになり、大容量のゲームソフトが遊べます。
さらに「メガCD」の上に「メガドライブ」を接続した状態で、その上部に「スーパー32X」を接続すれば、3段目が完成します。1994年に発売された「スーパー32X」は、16ビット機である「メガドライブ」を32ビットに拡張するためのユニットです。
「スーパー32X」によって、ポリゴンによる3D表現などがメガドライブで可能となり、アーケードゲームの『バーチャファイター』などが移植されました。
そして4段目に接続可能なのが、「ロックオンシステム」搭載のゲームソフト『ソニック&ナックルズ』です。「ロックオンシステム」とは、カートリッジの上部にさらに別のカートリッジを挿入して、新たなシナリオやボーナスステージなどが遊べるようになるシステムのことです。
たとえば『ソニック&ナックルズ』のカートリッジ上部に『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』を接続すると、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」の内容と『ソニック&ナックルズ』の内容が途切れることなく遊べて、ゲームデータをセーブすることも可能になります。
ほかにも「ロックオンシステム」対応のカートリッジはいくつかあり、それらを『ソニック&ナックルズ』に差し込めば、「メガドラタワー」5段目のパーツとなるのです。
さらに4段目の『ソニック&ナックルズ』に「メガアダプタ」を挿入すれば、「メガドラタワー」の6段目まで追加することが可能です。
「メガアダプタ」とは、1985年に発売されたセガのハード「セガ・マークIII」のソフトをメガドライブで遊ぶための専用アダプタで、「メガアダプタ」を挿入したうえで「セガ・マークIII」用のソフトを差し込めば、「メガドラタワー」の6段目が完成します。
このようなゲームハードの周辺機器をドッキングさせて積み重ねるという発想に、ロマンを感じたゲームファンは多いことでしょう。
ちなみにセガは、メガドライブのソフト42タイトルが収録されたゲーム機「メガドライブミニ」を2019年に発売した際、「メガドライブミニ」をメガドラタワー仕様にデコレーションするためのアクセサリーキット「メガドラタワーミニ」も同時発売しました。
メーカーが、わざわざ「メガドラタワー」を再現するためのアクセサリーキットまで用意したことからも、あの「伝説の形態」に憧れているファンが多いことが分かりますね。
(マグミクス編集部)