『ワルキューレの冒険』の思い出は「何をしていいか分からない」攻略本が頼りだった
自力でクリアしたかったが…助けてくれた攻略本

そんな状況を変えてくれたのが、1冊の攻略本でした。
確か筆者が購入したのは徳間書店の『ワルキューレの冒険 完全攻略本』だったと思います。現代ほどコンテンツがあふれている時代であれば、投げっぱなしでそのまま忘れ去っていたでしょうが、当時のファミコンのカセットは年に数本しか手に入らない貴重な品でした。クリアできないからといって、あきらめるわけにはいかなかったのです。
攻略本を読むと、詰まっていたポイントの攻略法がきっちり書かれていました。シザースという普段は地下などにいて宝を守っている敵が、なぜか地上の何もないポイントにいたのですが、その横に微妙に光っているマスがあったのです。筆者もここが怪しいと思って色々調べたのですが、何もなかったのであきらめていました。まさかここでゲーム内の時間が一昼夜経過するのを待つだけだったとは、さすがに分かりませんでした……。
ここさえ抜けてしまえばあとは簡単、さくさくとゲームを進め、ラスボスのゾウナを何体か倒して時の鍵を入手し、ゲームクリアとなりました。
正直、自力でクリアしたかったなあ……という気持ちはありましたが、クリアできないよりはずっとマシです。クリア画面を見ているときには「やっと終わった……」と、安堵感と解放感が入り混じったような気持ちが押し寄せてきたのをよく覚えています。
そんな『ワルキューレの冒険』はその後、続編としてアーケード版の『ワルキューレの伝説』や、作中に登場するキャラクター・サンドラを主人公にしたスーパーファミコン版『サンドラの大冒険 ワルキューレとの出逢い』などが発売されました。携帯アプリ『ワルキューレの栄光』『ワルキューレの栄光2』もリリースされています。
また、キャラクターとしてのワルキューレは根強い人気を誇っており、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)から発売された『NAMCO x CAPCOM』やバンダイナムコゲームス・バンプレストレーベルから発売された『PROJECT X ZONE』などではキャラクターのひとりとして参戦しています。昭和に生まれた彼女が令和の時代でどのような活躍を見せてくれるのか、今後のワルキューレからも決して目を離さずに行こうと思います。
(早川清一朗)