待望の続編が物議? アニメの原作改変 「なかったことにしたい」「駆け足すぎ」
マンガや小説のアニメ化において論争が避けられないのが、「アニメオリジナルの原作改変」でしょう。特に長期連載作品のアニメ化は、尺の都合で一定の改変が避けられないことが多いです。過去にはそういった事情を汲んでも納得しかねる、原作ファンの手厳しい評価を受けた改変も存在します。
アニメオリジナルの色が強すぎて炎上?
マンガや小説のアニメ化において論争が避けられないのが、「アニメオリジナルの原作改変」です。特に長期連載作品のアニメ化は、尺の都合で一定の改変が避けられないことが多いです。過去には原作ファンの手厳しい意見を受けることになったアニメもありました。
尺の都合で原作を大幅カットして炎上したのが、アニメ『約束のネバーランド』(以下『約ネバ』)の2期です。『約ネバ』は「週刊少年ジャンプ」にて連載された作品で、世界累計発行部数は4200万部を突破しています。また2019年放送のアニメ1期で、多くの注目を集めました。
1期の評判が非常に良かったため、2期も期待が寄せられていたアニメ『約ネバ』でしたが、実際にフタを開けてみると、原作でトップレベルの人気を誇る章「GP編」が丸々カットされて炎上しました。エマたちがたどり着いたシェルターで出会う重要キャラ「ユウゴ」と「ルーカス」、作中最強格の敵である「レウウィス大公」は不在で、仲間キャラとの再会シーンにも変更が加えられた他、最終章は数分間の無声ダイジェストで幕を下ろしています。
原作と作風が違いすぎて批判が出た作品といえば、アニメ『みなみけ~おかわり~』(以下『おかわり』)もその代表例です。原作『みなみけ』は2004年から「週刊ヤングマガジン」にて連載中の作品で、アニメは現在で合計4期に渡って展開しており、『おかわり』は2期にあたる作品です。
『みなみけ』は平凡な家庭・南家の三姉妹による、平凡な日常を描いたほのぼのコメディで、『おかわり』も原作の癒し要素を取り入れた日常アニメになる……はずでした。
『おかわり』は1期と比べて、アニメ独自のオリジナル色が強めです。異様にシリアス路線が強く、全体的に暗い鬱屈とした内容になっています。「天候が晴れの日が少ない」「モブの描写が全身黒塗り」「姉妹のやり取りが殺伐」といった点が、日常コメディを求めていたファンのニーズと相反しました。放送当時のネットでは掲示板を中心に大炎上し、「おかわりはみなみけシリーズに含まれない」というファンも多いです。
長年愛され続けているタイトルはリメイクされることが多いですが、上手くいくとは限りません。2018年放送のアニメ『覇穹 封神演義』(以下『覇穹』)は、炎上したリメイクのひとつです。『封神演義』は2000年代を中心に人気を集めたジャンプ作品で、累計発行部数は2200万部を突破しています。
そんな人気作のリメイクアニメ『覇穹』の炎上理由として、最もあげられるのが「シナリオの改変」です。1999年に放送された最初のアニメ化『仙界伝 封神演義』は、設定やストーリー面の変更が多い作品だったのですが、またも改変が批判されることとなりました。
原作の中盤エピソードである「仙界大戦」を中心に制作された『覇穹』は、序盤の展開を含めて2クールに圧縮したため、原作の人気シーンは大きくカットされています。全23話に対して原作が23巻完結のため、「アニメ1話で1巻分の進行ペース」と考えれば、駆け足の程度が自ずとわかってくるでしょう。
また『覇穹』は各章の順番が原作と異なり、時系列がバラバラな点も「原作を知らないとわかりにくい」「ついていけない」などの批判の声があがっていました。
(マグミクス編集部)