復活が約束されてても泣ける? 『ドラゴンボール』の「死が演出した」胸アツ描写4選
『ドラゴンボール』に登場するキャラクターは、死んでも生き返るのがお約束で「死ぬことにデメリットなし」と言われるほどです。しかし、命を投げうって仲間のために犠牲になるシーンや、亡くなっているキャラと再会するシーンなどは、何度読んでも感動させられます。
仲間のために犠牲になる姿に感動
鳥山明氏が描いたバトルマンガの金字塔『ドラゴンボール』は、1984年に連載が始まった作品です。約40年が経過した現在も、いまだにアニメやゲームなどで高い人気を誇り、幅広い世代から愛され続けています。
激しいバトルが特徴なだけに、主要キャラクターが命を落とすシーンもありました。ただし、『ドラゴンボール』では神龍(シェンロン)の力で死者を蘇らせることができるので、読者目線では「死ぬことにあまりデメリットが感じられない」という声も少なくありません。
しかし、それが分かっていながら、何回読んでも感動させられる場面があります。今回はそんな死にまつわる感動的なシーンについて振り返ります。
まず『ドラゴンボール』屈指の感動シーンとして挙げられるのが、「ピッコロ」が「孫悟飯」を命がけでかばった場面です。
もともと世界征服を企む悪者だったピッコロですが、サイヤ人たちに地球が狙われたことをきっかけに、高い素質を秘めた孫悟飯を鍛えることになります。サイヤ人が襲来するまでの数か月間を悟飯と過ごしたピッコロは、厳しい修行のなかで少しずつ絆を深めていきました。
その後、地球にやってきたサイヤ人との激しいバトルのさなか、悟飯を狙ったナッパの攻撃を察知したピッコロは、身を挺して悟飯をかばいます。そして、その攻撃によりピッコロの命が尽きようとする直前、悟飯に「きさまといた数か月わるくなかったぜ」「死ぬなよ、悟飯」と告げるシーンは、多くの読者の涙を誘いました。
このときピッコロが死ぬと、地球の神様も同時に死ぬことになり「ドラゴンボールが使えなくなる」というシチュエーションが、このシーンの重要性を増幅させました。そのうえで悪の存在だったピッコロが他者をかばい、最後は悟飯を想って死んでいくという流れは、実に見事でした。
ピッコロと同様、当初は悪役として登場した「ベジータ」にも、自分の命を犠牲にする感動的なシーンがありました。
「魔人ブウ」と対峙したベジータは死力を尽くして戦いますが、まったく歯が立ちません。そこでベジータは、息子のトランクスに「トランクス…ブルマを…ママを大切にしろよ…」と伝えると、彼を抱きしめながら「元気でな…トランクス」とつぶやき、気絶させました。
そして、魔人ブウに近づくと「さらばだ…ブルマ…トランクス…そして…カカロット…」という心の声とともに、壮絶な自爆攻撃を敢行します。プライドの高い王子だったベジータが、最後に残した言葉が家族に向けたものであることも感動を呼びました。