『鬼滅』柱稽古編で明らかになる新事実 謎多き岩柱、風柱、蛇柱の「注目の一言」
善逸が逃亡!? 嘔吐!? どの柱の稽古が一番エグい?
●またまたギャップ萌え!? 不死川実弥のこじれた愛情表現が詰まった一言
傷だらけの身体、きつい目つき、粗暴な言動、そして鬼への強烈な憎悪と敵意が、柱合裁判で見せた風柱の不死川実弥の姿でした。しかし、そんな実弥が「ギャップ萌え」の人であることは、原作ファンの間ではよく知られており、TVアニメ「刀鍛冶の里編」では、「実弥兄ちゃんの笑顔」にハートを射抜かれた人は多かったことでしょう。
そんな実弥の柱稽古は、善逸が「命にかかわる 殺されるっ」と泣きわめき、逃亡しようとするほど壮絶なものでした。連れ戻しに来た実弥は善逸の頭をわしづかみにすると、「選べェ 訓練に戻るか 俺に殺されるかァ」とすごむのです。柱稽古をつける場面では、「吹っ切れて怖い方」の実弥でした。
稽古は実弥を相手にした「単純な打ち込み稽古」ではあるものの、「反吐をぶちまけて失神するまでが一区切りでそれまで休憩なし」で、前出の伊黒の稽古に続き、ここでも炭治郎への当たりは特に強いようです。
ここでの注目していただきたい一言は、「再起不能にすんだよォ」でした。弟の玄弥の「鬼を喰った」という告白を聞いてブチ切れた実弥が、兄弟の間に割って入った炭治郎に言った言葉です。
大けがをさせてでも鬼との戦いから玄弥を遠ざけたい、弟には幸せに生きて欲しいという一心から放った言葉なのでしょう。原作マンガでは、傷だらけの顔のアップ、血走った目、血管が浮いた手という最凶に怖い絵面のカットです。
しかし、こじれてはいるけれど「実弥兄ちゃんの弟への愛」がギュウギュウのパンパンに詰まっています。この実弥の複雑な感情がアニメではどのように描かれるのか、注目したいシーンとセリフです。
●つらい過去からの救済!? 少しスッキリした岩柱・悲鳴嶼行冥の一言
現役の柱たちのなかでは最年長の悲鳴嶼行冥は、心優しく、穏やかで思慮深い盲目の岩柱です。その戦闘力は鬼殺隊最強と言われています。
柱合裁判での悲鳴嶼さんの言葉に違和感を覚えた人は、多かったのではないでしょうか? 「あぁ… なんというみすぼらしい子供だ 可哀そうに」「早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」と、「子供」という言葉を2度使っており、そこには優しさや慈しみの気持ちではなく、子供というものへの猜疑心や嫌悪感にも近い感情を感じます。「柱稽古編」では、悲鳴嶼さんと「子供」の関わりが明らかになりますので、そこも注目ポイントです。
悲鳴嶼さんの稽古は、通常の人間には到底不可能と思われるようなものばかりでした。滝に打たれる伊之助たちを見て衝撃を受けた炭治郎と善逸が、「心頭…滅却すれば……」の声に振り向くと、そこにいたのは、丸太と岩を肩に担ぎ、炎の上で涙を流しながら手を合わせ、「火もまた涼し……」と唱える悲鳴嶼さんです。
「ようこそ…我が修行場へ……」と静かに言われ、これから始まる過酷な修行を想像して、炭治郎は目を丸くし、善逸は嘔吐してしまうのでした。
玄弥のアドバイスもあって、なんとか課題をすべてこなした炭治郎に、悲鳴嶼さんが「刀鍛冶の里で鬼の妹の命より里の人間の命を優先した」ことで、「私は君を認める…」と言います。しかし、炭治郎は自分が決断できなかったこと、決断は禰豆子によるものだったことを話し、「認めてられては困ります」と返すのです。
その言葉を聞いて、悲鳴嶼さんは自分の過去に起こった事件について語り、その事件のせいで、自分が子供に対して疑り深くなったと話すのでした。「君は特別な子」と炭治郎を呼び、「君が道を間違えぬよう これからは私も手助けしよう」と言います。それを聞いた炭治郎は「頑張ります…」「ありがとうございます…」と涙を流すのです。
そんな炭治郎のその頭をなでながら、悲鳴嶼さんはかつて自分が育てていた子供との温かい思い出が胸に去来したのでしょうか。ここで注目していただきたい一言が出ます。涙と数珠がトレードマークの悲鳴嶼さんが、涙なしで、苦しみが和らいだような穏やかな顔をして「私の訓練は完了した… よくやり遂げたな……」と告げるのでした。
『鬼滅の刃』は、炭治郎の成長物語であるだけでなく、彼とかかわった人々の成長、変化の物語でもあります。柱の中で最年長、そして最強といわれる悲鳴嶼さんにも大きな変化と成長があったことを感じさせるセリフです。
すでに原作マンガを読み終えて久しいファンにも、毎回、大きな驚きと感動を与えてくれる『鬼滅の刃』のアニメ。「柱稽古編」の放送が待ち遠しいですね。
(山田晃子)