さらっと描かれすぎ! ジオン軍の「アッザム」が臨んだ「実は重要すぎる戦闘」とは?
『機動戦士ガンダム』第18話に登場したジオン公国軍のMAX-03「アッザム」は、アムロの駆る「ガンダム」をあと一歩のところまで追い詰めます。このときの戦闘は、実は宇宙世紀のその後を左右しかねない、かなり重要なものでした。
ジオン軍初の「モビルアーマー」

MAX-03「アッザム」は、『機動戦士ガンダム』第18話「灼熱のアッザム・リーダー」に登場した機動兵器です。ジオン公国軍のマ・クベ大佐とキシリア・ザビ司令が搭乗し「ガンダム」と交戦、あと一歩のところでその撃破に失敗し、逆に襲撃されるも、無事に逃げおおせています。
現在では「モビルアーマー」と定義されている「アッザム」ですが、当初はモビルアーマーという概念は説明されておらず、単なる大型の機動兵器として扱われていました。のちに追加された設定では、月面配備用に開発された重機動砲座である「死を呼ぶ玉葱」ことG87「ルナタンク」を、重力下仕様に改修した機体とされています。戦闘での主な役割としてはトーチカの破壊が構想されていました。物語に登場した時点では、まだ機動兵器としては試作段階の機体であり、色々とちぐはぐな面が見て取れます。
機動手段としては、ミノフスキー・クラフト1基とホバーエンジン8基を装備しており、短時間ではあるものの飛行が可能となっています。ただしミノフスキー・クラフトは地球連邦軍が「ホワイトベース」に装備したものと比較すると性能が低く、稼働時間は短いものでした。また飛行能力の制限により、装甲を十分施せない弱点を抱えています。
武装としては、機体の上下に連装メガ粒子砲8門を搭載しているのに加え、機体の底部には特殊兵装「アッザム・リーダー」を装備しました。この「アッザム・リーダー」とは、「リーダー」と呼ばれる粉末を散布し、さらに鳥かご状に射出したワイヤーで対象物を包囲、そのワイヤーの檻内に電磁波を発生させ、これらにより生じた最大摂氏4000度の高熱で対象を焼却するという、恐るべき能力を備えていました。
上述のように、「アッザム」が初めて登場したのは第18話の冒頭です。このときアムロは「ガンダム」に乗ってホワイトベースを脱走し、廃墟に身を隠していました。物音に気付いたアムロが拳銃を手に様子をうかがったところ、数機の「ドップ」戦闘機を護衛に従えた巨大な機動兵器「アッザム」が頭上を通り過ぎようとする光景を目の当たりにします。「アッザム」側は、アムロや「ガンダム」に気づかなかったため、そのまま飛び去りました。このとき「アッザム」の窓からマ・クベとキシリア、複数の兵士の姿が見えており、内部にはかなりスペースのあることがわかります。