【漫画】地球滅亡を前にやり残したことは? 覚悟を決めた言葉に「考えさせられる」
地球滅亡まで残り4時間、ゲームをしている太一と尚は最後にやり残したことについて話していました。太一は意を決した様子で尚に「やり残したこと」を話し始めて……。作者の夕海さんにお話を聞きました。
親友がずっと心に秘めていた想いに驚愕!
隕石が落ちる4時間前、世界が滅びる前に自分のやりたいことやろうと街は無法地帯と化していました。そんななか、ゲームをしている太一と尚は最後にやり残したことについて話していると、太一は覚悟を決めた様子で尚に「やりのこしたこと」を口にして……。
夕海さん(@___yummi___)による創作マンガ『隕石が落ちる4時間前の少年たちの話』がX(旧:Twitter)上で公開されました。今作は、2019年に発売された「ヤングアニマルZERO」(白泉社)の第1号に掲載された読み切り作品『メテオライト』となっています。
いいね数は8.3万を超えており、読者からは「感情描写がリアルで魅入ってしまいました!」「やっと、やっと言えたんだね」「本当に最期の日が来たら、何を想い誰に伝えるのだろうか。自分自身に置き換えて考えさせられた話だった」などの声があがっています。
夕海さんは漫画家として活動しており、現在は「ヤングアニマルZERO」にて『ノラの家』を連載中です。2023年12月27日には、初の単行本として第1巻が発売されました。
作者の夕海さんにお話を聞きました。
ーー今回、X(旧:Twitter)に『隕石が落ちる4時間前の少年たちの話』として掲載された、『メテオライト』が生まれたきっかけや、理由を教えてください。
『メテオライト』は数年前の作品なのですが、もともとは尚の最後の行動から着想した話でした。燃え尽きずに落ちてくる隕石が尚の感情とも合っているように感じて、設定に隕石を選びました。
ーー読者ひとりひとりが「あと数時間で世界が終わるときに自分だったらどうするだろう」と考えさせられるような内容でした。今作を描くうえでこだわったポイントやお気に入りのシーン、作画で工夫したことなどはありますか?
設定が設定だったので、軽くなりすぎずシリアスにもなりすぎないように、穏やかだけど切ない空気感を意識しました。アシスタントの仕事を通して、部屋や小物からもキャラクターを表現できることを学び始めた直後だったので、背景にも生活感や人となりが反映されるようにこだわって描きました。
妹の登場シーンは最初から頭の中に明確に絵が浮かんでいたので、できる限り脳内を再現しようと一番力を入れて描いた気がします。
終盤の太一の顔の向こうに隕石が見えるコマも、締め切り当日徹夜明け、あと入稿するだけというタイミングで1から描き直したのを覚えています。どちらも主人公ふたりそれぞれにとって印象的な瞬間だったと思うので、良い絵になるよう納得いくまで手を入れました。
ーー感動のコメントが数多く寄せられております。特に考えさせられた読者の意見やうれしかった声などがありましたら教えてください。
肯定的なご感想が多かったことが純粋にうれしかったです。誰かひとりの心を動かすことができればという思いで描いていますが、「泣けた」という感想をたくさんいただけたのはとてもありがたかったです。
読んだあとに「自分だったら……」と考えてもらえるようなテーマは今でも意識しているので、そういったコメントを多数いただけたのも自信につながりました。ゲームがひとり用だったというご指摘は完全なる勉強不足ですみませんでした……。
ーー夕海さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
もともと絵が好きで小学生のときからノートにマンガを描いたり雑誌を作ったりしていました。途中マンガから離れていた時期も長かったのですが、大学卒業後、職場の先輩が貸してくれたマンガが面白すぎて、影響されて久しぶりに描き始めたという感じです。
ーー2023年12月27日に夕海さん初の単行本『ノラの家』の1巻が発売されました。あらすじと見どころを教えてください。
交通事故によって両親も家も何もかも失った被害者側の主人公が、事故後に別の人の手に渡り、加害者のシェアハウスと化した元実家で加害者たちと暮らしながら再生していく物語です。
加害と被害をテーマに選んだのも、「自分だったら……」と考えていただくきっかけのひとつになったら良いなという思いがありました。1巻では住人のひとりの物語を通して、目に見える傷と見えない傷について描いています。
『メテオライト』とはまた違った読み味になっていると思いますが、絵が上達して表現の幅も広がったと思いますので、こちらも読んでみていただけたら嬉しいです!
ーー2024年はどのような創作活動をする1年にしたいですか?
連載(『ノラの家』)ではありがたいことに2巻も発売される予定なので、引き続き楽しんでもらえるよう邁進したいです。今回このように反響いただけたことで新しい短編にも挑戦したくなりましたし、2024年は質も量もアップできるような1年にしたいです!
●「ヤングアニマルZERO」(白泉社)で連載中の『ノラの家』
(マグミクス編集部)