【40年前】1983年の大みそか どんなアニメが放送されていた?【藤子不二雄つよい】
テレビ朝日は藤子不二雄先生を大特集
この時代、アニメに最も力を入れていたのがテレビ朝日です。16時30分からは大みそかアニメスペシャルとして長編アニメーション映画『アラビアンナイト・シンドバッドの冒険』が放送されました。1962年に劇場公開された本作は、脚本を手塚治虫先生と『どくとるマンボウ航海記』の著者である北杜夫先生が担当、主人公の相棒である少年アリー役の声優を黒柳徹子さんが務めるなど、かなり力の入ったスタッフの陣容となっています。
そして18時20分からは「藤子不二雄スペシャル」と題された枠で『ドラえもん』『忍者ハットリくん』『パーマン』が3時間に渡り放送されました。放送が確認できたエピソードは、『ドラえもん』が「天井うらの宇宙戦争」「エスパー訓練ボックス」、『忍者ハットリくん』は「忍者屋敷へご招待」「忍法虫変化!?」、『パーマン』は「パーマンの休日」「やとわれパーマン」で、ほかにも7本、放送されたようです。
テレビ東京では10時から『アニメ親子劇場』の再放送が行われていました。現代世界に住む男の子、飛鳥翔とその仲間たちがタイムブックの世界へタイムスリップして冒険旅行をする物語で、1981年から1982年にかけて全26話が放送されています。『旧約聖書』と『新約聖書』がストーリーのモチーフとなっているため、この作品で初めて聖書なるものに触れた方もいるのではないでしょうか。続編として『パソコントラベル探偵団』も制作されており、この年、1983年の4月から9月まで放送されています。
なお地方局になりますが、TVKテレビ(テレビ神奈川)では18時30分から、希代の演出家である出崎統氏が監督を務めた名作『宝島』が放送されています。そして千葉テレビ(チバテレ)では18時20分から、後年ネット経由で火が付き話題となった怪作『チャージマン研!』が放送されていました。当時『研』を見ていた子供の中に、30年以上経ってからカルト的な人気を得て、2019年には舞台化される未来を想像した人間などひとりもいなかったでしょう。断言できます。
(早川清一朗)