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「仮面ライダー」いつから俳優の登竜門に? 「スカイライダー」村上弘明さんの足跡

いわゆる「平成ライダー」では、経験の浅い俳優がそれを機に何人もブレイクを果たしました。この「ライダー出身」というコースは、元をたどるとシリーズ第6作『仮面ライダー』の主演、村上弘明さんの歩んだ道のりといえるでしょう。

演技経験ほぼゼロで主役に大抜擢…!?

東映ビデオ『仮面ライダー(スカイライダー) VOL.1』
東映ビデオ『仮面ライダー(スカイライダー) VOL.1』

「スカイライダー」の戦いを描く1979年放映のシリーズ第6作『仮面ライダー』は、シリーズ第1作と全く同じタイトルで、公式WEBサイトでは区別するため『仮面ライダー(新)』と表記されています。同作は、新しい「仮面ライダー」を作ろうと制作側がさまざまな方策を打ち出し、空を飛んだり、バイクで壁をぶち抜いたりとなど、新機軸が次々と盛り込まれました。

 なかでも注目だったのは、それまで演技経験のほとんどなかった村上弘明さんが主演に抜擢されたことです。村上さんの抜擢とその後の躍進は、のちのいわゆる「平成ライダー」シリーズにおける主演俳優たちの礎になったといえるでしょう。

 それまでの「仮面ライダー」シリーズの主演俳優は、映画会社や劇団の養成所出身が多く、すでにドラマや映画の出演経験がある人ばかりでした。そのため村上さんの抜擢は極めて異例といっていいでしょう。ただ、やはり経験のなさはネックだったようで、そのせいか、放送開始直後のエピソードでは開始10数分で変身すると、そのままスカイライダーの姿で終了しているケースも多くありました。

 村上さんは、自分の出番が終わった後も、残って変身後のスーツアクターの演技を見学し、技斗(現代劇における殺陣師)の岡田勝さんや「スカイライダー」のスーツアクターである中屋敷鉄也さんと寝食を共にして親交を深め、そして、彼らと一緒にトレーニングを続けます。

 番組も後半になると、歴代のライダーおよびその俳優が次々とゲストに招かれました。とくに監督やアクション監督に自らのアイデアを提案し演じていた、『仮面ライダーV3』の風見志郎役、宮内洋さんの演技は参考になったと、村上さんはいいます。

 歴代ライダーの客演もあってか高視聴率になった『仮面ライダー(新)』(※)は、放送を延長する話が持ち上がりました。1年間の経験ですっかり演技力も成長した村上さんは、継続して出演するようにスタッフから打診されます。しかしすでに次の出演作が決まっていたため断念、『仮面ライダー(新)』は予定通り1年で終了し、1980年からは次回作『仮面ライダースーパー1』に引き継がれたのです。

 その後、平成ライダーシリーズとなって、2009年『仮面ライダーW』の菅田将暉さんや、2014年『仮面ライダードライブ』の竹内涼真さんたちのように、当時の村上さんと同じく経験の浅い俳優が、「仮面ライダー」シリーズ出演を機に大ブレイクを果たしていくのはご存知のとおりです。

 これからも演技未経験者が主人公を務め、頭角を表していくことがあるのでしょうか。今後の「仮面ライダー」シリーズからも目が離せません。

参考文献:
『仮面ライダー1971~1984 秘蔵写真と初公開資料で蘇る昭和ライダー10人』(講談社 編、2014年、講談社)
『仮面ライダー 昭和 vol.7 仮面ライダー(スカイライダー)』(講談社 編、2016年、講談社)
『Official File Magazine 仮面ライダー Vol.8』(東映〈監修〉、石森プロ〈監修〉、2004年、講談社)

※…第1作との混同を避けるため、公式の表現に則り(新)と表記。

(LUIS FIELD)

【画像】デビューまもない村上弘明さんや歴代ライダー大集合の図などをじっくり眺める!(10枚)

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