「現代のサムライ」藤岡弘、が主演した特撮4選 映画『日本沈没』は公開50周年!
テレビドラマやアニメーションなど、たびたび映像化されている『日本沈没』。2023年12月は、実写映画『日本沈没』の公開から50年になります。沈みゆく日本を懸命に支える主人公を演じたのが、若手時代の藤岡弘、さんでした。「現代のサムライ」藤岡さんの礎となった代表作を振り返ります。
「奇跡の喜寿」藤岡弘、77歳

仮面ライダー1号こと本郷猛といえば、俳優の藤岡弘、さんです。1971年~73年にテレビ放映された特撮ドラマ『仮面ライダー』に主演し、たちまち人気者に。端正なルックスに加え、さまざまな武道に通じており、77歳になる今も、テレビや映画で大活躍中です。「奇跡の喜寿」と呼びたくなります。
そんな藤岡さんは『仮面ライダー』で大ブレイク後に、東宝の特撮映画『日本沈没』(1973年)で主人公を演じています。お正月映画として公開された『日本沈没』は、日本映画史に残る大ヒットを記録しました。
2023年12月29日(金)は映画『日本沈没』が公開されてから、ちょうど50年になります。この機会に、藤岡さんが主演した特撮&SF映画を振り返ります。
ラブシーンの瞬間に、火山が大噴火!

マントル流の異変によって、日本列島がすべて海に沈んでしまう。小松左京原作のSF小説『日本沈没』は、高度経済成長を遂げた日本でセンセーショナルな話題となり、大ベストセラーとなりました。東宝は小説の執筆段階から映画化を進め、小説の刊行からわずか9 か月で特撮シーン満載の映画『日本沈没』を完成させています。
主人公の小野寺(藤岡弘)は、深海調査艇「わだつみ」の操艇者です。地球物理学者の田所博士(小林桂樹)との海底調査中に、日本海溝で異変が起きていることを目撃。このことから小野寺は、大異変に備えた超極秘計画「D計画」のメンバーに加わるのでした。
日本沈没を予言する田所博士役の小林桂樹さん、有史以来となる最大の国難に直面する日本国総理に丹波哲郎さん、日本を影で操る謎のフィクサー・渡老人に島田正吾さんと、個性の強いキャストが並んでいます。当時は若手俳優だった藤岡さんですが、濃い顔と熱い演技でしっかりと存在感を示しています。
ヒロイン・阿部玲子役のいしだあゆみさんと夜の海辺で、大人のキスを交わし合うシーンも忘れられません。ふたりの恋心が爆発した瞬間に、天城山も大噴火を始めます。大人になって見返すと、思わず吹き出してしまう日本沈没の始まりです。
首都圏が壊滅する大火災シーンもインパクトがありますが、単なる特撮パニック映画では終わっておらず、島国で暮らす日本人に「日本とは? 日本人とは何か?」というアイデンティティ を問い掛ける作品にもなっていました。「現代のサムライ」とも呼ばれる藤岡さんにとって、若手時代を代表する映画となっています。



