「元旦」は「ガンタンクの日」 現場では使いづらい! けど射程距離は東京から富山まで?
1月1日、元旦は「ガンタンクの日」です。『機動戦士ガンダム』のレギュラーMSではあまり人気のない機体ですが、その射程距離は運用次第では圧倒的な効果をもたらしました。その隠された能力を解説しましょう。
破壊力抜群だが、扱いが難しい?
1月1日は「ガンタンクの日」です。ガンタンクとはTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するMS(モビルスーツ)のことです。ガンダムファンなら誰でも知っているメジャーなMSだと思います。
「ガンタンクの日」が1月1日である理由、それは元旦にかけた語呂合わせからでした。ザク(3月9日)やグフ(9月2日)などと同じ理由です。もっとも、「RX-78-2」ガンダムは型式番号から7月8日となっていました。
「RX-75 ガンタンク」は地球連邦軍初のMSですが、まだ明確に敵となるMSのデータがなかったため、重戦車の延長線上の兵器として開発された経緯を持ちます。そのため脚部は2足歩行でなく、戦車と同じく無限軌道となりました。
ちなみに、昔はよく「キャタピラ」と呼称していた無限軌道ですが、キャタピラが企業の商標登録となっているので、最近では無限軌道と言う名前を使うことが多くなっています。
ガンタンクは長距離支援用に開発されたMSで、両肩に装備された120ミリ低反動キャノン砲の射程距離は一説には260キロメートルにも及ぶほど。これを実際の地形で説明すると、東京都から撃って富山県富山市まで到達するほどの距離です。
ここがガンタンクの強みであり弱点でした。なぜならミノフスキー粒子下の戦場ではレーダーが効かず、有視界で見えないような場所への攻撃は宝の持ち腐れというわけです。つまり開発時の連邦軍が、いかにミノフスキー粒子下での戦闘を認識していなかったかが分かるというものかもしれません。
そう考えると、ガンタンクの強みは拠点攻撃など動かない目標を、敵の射程外から一方的に撃つことです。ブライト・ノアの命令を無視してガンタンクに乗ったアムロ・レイの判断は正しかったと言えるでしょう。
逆に遮蔽物の少ない宇宙空間でガンタンクを単独で偵察に出し、結果的にジオン公国軍MA(モビルアーマー)のザクレロと単独で交戦させたブライトは、指揮官として判断の甘さを指摘されるかもしれません。
ガンタンクがMSとして考慮されていない点として、他にもコクピットが頭部にあり、しかも防弾キャノピーとはいえむき出しでパイロットが見えている点でしょう。これではせっかく腹部に内蔵された脱出用のコアブロックシステムも意味を成しません。ここら辺のちぐはぐさも、連邦軍がMSという存在の意味を理解していなかったことが起因でしょうか。
もっともガンタンクの攻撃力はMSとして考えた時、けっして他の機体に比べて劣るものではありません。ソロモンでの戦闘で、ガンタンクが戦闘不能になったことでホワイトベースの戦闘力は11%低下しています。そう考えると、やはり運用方法次第では高い戦力を誇る機体だったのでしょう。
それを証明するかのように、ガンタンクは少数ながらも量産型が作られ、後の世に後継機も作られることになっています。