「元旦」は「ガンタンクの日」 現場では使いづらい! けど射程距離は東京から富山まで?
連邦軍内部に信奉者でもいたのか? 意外に多いガンタンク系機体
量産型と言えば、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場した「量産型ガンタンク」が有名です。
その射程と火力による遠方攻撃で、MAアプサラスを開発していた秘密工場への壊滅作戦に参加していました。しかし、その能力を脅威と感じたノリス・パッカード大佐の「MS-07B-3 グフ・カスタム」により全機撃破されてしまいます。
ちなみに量産型ガンタンクには「ベルゲガンタンク」というバリエーション機も存在しました。『第08MS小隊』のOPに登場する機体です。両肩のキャノン砲をクレーンに換装し、MS回収などの作業用を主任務としていました。現実でも戦車を改修した回収戦車のことをベルゲパンツァーというそうです。
このガンタンクをMSとしてでなく、より戦車として強化発展させた機体が「RMV-1 ガンタンクII」です。型式番号からも通常のMSではないことがわかります。初出は「MSV(モビルスーツバリエーション)」ですが、それなりの数が生産されたらしく、『機動戦士Ζガンダム』ではジャブロー、『機動戦士ガンダムUC』ではトリントン基地で迎撃任務にあたる姿が確認できました。
ちなみに異説となりますが、ガンタンクは『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で宇宙世紀0068には主力戦車として存在しています。この時に後のシャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンが搭乗しており、「初のシャア搭乗機はガンタンク」という人もいました。
ガンタンクの系列機と考えられるのが、『機動戦士ガンダムF91』に登場した「RXR-44 ガンタンクR-44」です。MSの小型化が進んだ宇宙世紀0120年代にあっても、さらに小さい機体で、無限軌道で行動するタンク形態から、二足歩行できる人型形態に変形することが可能です。
このガンタンクR-44の元となった機体「F50D」は「フォーミュラー計画」で開発されたMSと言われていますが、それよりも前の時代である『UC』本編で原型となる「D-50C ロト」というMSが登場していました。
これを踏まえると、連邦軍はつねに無限軌道を装備したMSを開発していたことになるでしょう。思えば「Gファイター」にも無限軌道が装備されているのですから、連邦軍内部に「無限軌道信奉者」でもいたのかもしれません。
現実に目を向けると、ガンタンクの存在が大きな意味を持ちました。それは下半身が無限軌道になっている人型兵器がガンダム世界では当たり前となるからです。
そして、このガンタンクの存在が、ザクバリエーションのひとつとして「MS-06V ザクタンク」を生み出しました。他のガンダムシリーズでも下半身に無限軌道が装備されたMSはいくつかあって、その存在感を示しています。
作中ではあまり大きな活躍を見せることのなかったガンタンクですが、縁の下の力持ちポジションとして、作品には欠かせない存在感のある機体なのかもしれません。
(加々美利治)