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『聖闘士星矢』黄金聖闘士「天秤座の童虎(老師)」はなぜ仕事をしないのか?

童虎が「(ほぼ)全聖闘士の師」と考えられるワケ

天秤座の黄金聖衣。画像はBANDAI SPIRITS「聖闘士聖衣神話EX ライブラ童虎&老師 ~ORIGINAL COLOR EDITION~」(C)車田正美/集英社・東映アニメーション
天秤座の黄金聖衣。画像はBANDAI SPIRITS「聖闘士聖衣神話EX ライブラ童虎&老師 ~ORIGINAL COLOR EDITION~」(C)車田正美/集英社・東映アニメーション

 前大戦で聖闘士が童虎とシオンだけになり、シオンは教皇になりました。聖闘士がほぼ全滅したものの、シオンは教皇なのでたくさんの弟子は持てず(ムウのように直弟子がいないわけではありませんが)、戦闘技術を伝えられるのは童虎だけということになります。

 聖闘士は他の聖闘士がどんな守護星座なのか、瞬時に判別するなど、他の星座もよく知っています。「白鳥星座の氷河」が「水瓶座のカミュ」の技である「ダイヤモンドダスト」を使うように、技も、守護星座でなくとも使えるようです。

 つまり「各聖闘士の使うべき技を全て把握・継承し、それぞれの守護星座の弟子に伝えた」のが童虎で、今いる聖闘士はほぼ全て童虎の弟子か、孫弟子なのではないでしょうか。

 白銀聖闘士の「アルゴル」が、格下である青銅聖闘士の紫龍に「貴様があの高名な五老峰の老師の弟子か。相手にとって不足はない」と言っているくらいで、誰もが「とてつもない功労者で実力者」だと認めているから、前述のように「反逆者」扱いされていても発言力があるのでしょう。

 さて、童虎は先代アテナによる仮死の法「MISOPETHA-MENOS(ミソペサメノス)」を解けば、若者に戻って戦えます。サガが聖域を乗っ取った時に、真実を明らかにして、サガ討伐を宣言すれば、その人望で黄金聖闘士の大半は味方になり、聖域を奪還できたはずです。ポセイドンの時も、黄金聖闘士を派遣すれば、恐らく「シャカ」ひとりでも七将軍は壊滅していたでしょう。

 これをしない理由は、筆者にはひとつしか考えられません。前大戦の「経験」です。

 前大戦は、聖闘士が88人揃っていても、ふたりしか生存しない激戦でした。ハーデス軍には「終わった大戦の記憶を持ったまま」の「タナトス」などもいますから、かつてアテナ軍が取った戦術への対策も可能です。

 前大戦を知る童虎は「今の聖闘士たちでは、今大戦は確実に負ける」と考えていたのではないでしょうか(実際、ポセイドン編を経た星矢たち4人でも、蘇ったシオンがひとりで蹴散らしています)。

 上記の考察が正しいなら、今の聖闘士たちは「天秤座の童虎自身がほぼ全てを復活させた流派」ですから、前大戦の聖闘士の技を完全に復活させている自信を持てない、というのも考えられます。

 そして『聖闘士星矢』では「弱いキャラクターが多人数で強いキャラクターと戦えば、有利になる」ことはありません。頭数がいても、弱ければ無意味なのです。

 さらに、童虎は「アテナの封印」を受けた体です。沙織が気絶していても、アテナ像が星矢にアテナの盾を授けるように、先代アテナの意志は沙織とは別にあります。童虎のいう「天の意志」とは、自身の施された封印に宿る先代アテナの意志で、彼はその声が聞こえるのでしょう。

 先代アテナは「今のままでは聖戦に勝てない」「一番伸びしろが大きいのが、星矢たち5人」と見極めた上で、「全ての戦いを星矢たちの(成長の)ためにせよ」と、童虎に命じていたのではないでしょうか。もしそうなら、聖闘士たちですら、世界を救う糧とするのですから、さすが戦いの女神、恐るべき軍才と言わざるを得ません。

(安藤昌季)

【画像】若返った童虎は…「黄金聖闘士」強さランキングをカウントダウン!(16枚)

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