『鬼滅の刃 柱稽古編』前に回顧 鬼殺隊の柱と炭治郎の関係性と「訪れた変化」
2024年春からTVアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』が放送されることが発表され、ファンから喜びの声があがっています。そこでこのタイミングで、TVアニメ第1期の「竈門炭治郎 立志編」から、2023年放送の最新シリーズ「刀鍛冶の里編」までの炭治郎と鬼殺隊の柱の関係性の変化について振り返ります。
アニメで描かれた「炭治郎と鬼殺隊の柱たち」の関係性
2024年春、TVアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』がフジテレビ系にて放送されることが発表されました。待ち望んでいたアニメの続編に「ワクワクが止まらない」「1期から見返そうかな」といった声も多くあがり、反響を呼んでいます。
『柱稽古編』では、「柱」と呼ばれる鬼殺隊最高位の剣士たちが、これまで以上に描かれるのは間違いなく、主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう)と個性豊かな柱たちとの絡みも注目のポイントです。
そこで今回は、これまでのアニメ作品で描かれてきた炭治郎と鬼殺隊の柱の関係性と、その変化について振り返ります。
まず、炭治郎が鬼殺隊に入るきっかけを作ったのは、水柱の冨岡義勇(とみおか ぎゆう)でした。TVアニメ第1期『竈門炭治郎 立志編』の第1話で義勇は、炭治郎の妹・禰豆子(ねずこ)が、人喰い鬼と化した現場に現れます。
義勇は鬼の禰豆子を殺そうとしますが、そのとき妹を守ろうとした炭治郎の決死の行動と、鬼になりながらも兄をかばおうとする禰豆子の姿を見て、義勇は刀をおさめました。
鬼殺隊の使命は人喰い鬼を狩ることですが、水柱の義勇は禰豆子を助けるという判断を下し、鬼殺隊の育手「鱗滝左近次(うろこだき さこんじ)」に炭治郎を紹介します。その結果、炭治郎は鬼殺隊に入隊する道筋ができたのです。
そして炭治郎が鬼殺隊に入ってから、鬼の禰豆子を連れていることが問題になり、柱たちが集まる柱合会議で糾弾される場面があります。そのとき、炭治郎を鍛え上げた鱗滝が鬼殺隊の当主・産屋敷耀哉(うぶやしき かがや)に宛てた手紙が読み上げられ、鱗滝と義勇の連名による「禰豆子が人に襲いかかった場合は腹を切って詫びる」という内容が明かされました。
それを炭治郎は涙を流しながら聞いており、双方の想いと覚悟が伝わってくる名シーンでした。
その後、納得のいかない風柱の不死川実弥(しなずがわ さねみ)が自身の腕を斬り裂いて、血が滴る腕を禰豆子の前に突き出しますが、それでも禰豆子は襲いかかるのを我慢し、鬼の本能を抑えています。
柱合会議後、炭治郎は蟲柱・胡蝶しのぶの私邸である「蝶屋敷」でケガを癒やし、能力向上のため機能回復訓練に励むことになります。
そしてある晩、ひとりで全集中の呼吸の鍛錬をする炭治郎のもとに、しのぶが現れます。このとき炭治郎が、常に笑顔を絶やさないしのぶが秘めていた「怒り」の感情を指摘することで、彼女の本音を引き出しました。
最愛の姉を鬼に惨殺され、鬼に対して怒りを抱き続ける彼女ですが、しのぶの姉は炭治郎と同じように「鬼に同情し、哀れんでいたこと」を明かします。
そして鬼になった禰豆子を守り続ける炭治郎の姿勢が亡き姉の想いとシンクロし、自分にはできなかった「鬼を斬らずに済む方法」を見つけることを炭治郎に託したのです。
「自分の代わりに君が頑張ってくれていると思うと私は安心する」「気持ちが楽になる」というセリフから、胡蝶しのぶが炭治郎に心を許したことが垣間見えるシーンでした。
炭治郎が柱と共闘するようになると、その信頼関係はより強固なものになっていきます。映画にもなった『無限列車編』では、炎柱の煉獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)と共闘しました。
柱合会議が始まる前まで、煉獄は炭治郎と禰豆子のことを認めていませんでしたが、『無限列車編』では「俺の継子(つぐこ)になるといい」「面倒を見てやろう!」などと告げています。
その後、煉獄は鬼の「猗窩座(あかざ)」との死闘の末に命を落としましたが、鬼殺隊の柱として他者を守るため自分の命を捧げた彼の生き様は、炭治郎の心に大きな影響を与えました。
そして彼の死後、煉獄の日輪刀についていた炎の形の鍔(つば)を託された炭治郎は、それを自身の日輪刀につけられています。
また、TVアニメ第2期の『遊郭編』で共闘した音柱・宇髄天元(うずい てんげん)も、柱合会議では炭治郎の入隊を認めず、「派手に首を斬ってやろう」と禰豆子ともども殺す勢いでした。
しかし十二鬼月である上弦の陸の堕姫(だき)・妓夫太郎(ぎゅうたろう)との戦いを経て、炭治郎、我妻善逸(あがつま ぜんいつ)、嘴平伊之助(はしびら いのすけ)のことを気に入った宇髄は、「こいつらは3人とも俺の優秀な継子だ」と言い切り、確かな信頼関係を築きました。
※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記、煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記になります。