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仮面ライダー2号が客演のたびに「マスクの色」が変わる理由は? 不遇(?)な変遷

1973年放送終了時の『仮面ライダー』では、メタリックグリーンのマスクだった2号ライダーは、その後も微妙な変化が続き、1975年『仮面ライダーストロンガー』の登場時には完全に黒い仮面になり、しばらく黒仮面時代が続きます。2号ライダーが客演として登場した時のマスクの変遷を紹介しましょう。

ドラマ内で全く説明のないまま、マスクの色合いも変化!

「仮面ライダースペシャル [DVD]」のパッケージ(東映ビデオ)
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 1973年放送終了時の『仮面ライダー』は、1号・2号ともにメタリックグリーンのマスクでした。ところが2号は1973年『仮面ライダーV3』、1974年『仮面ライダーX』などで客演するたびに微妙にマスクの色が変化し、1975年『仮面ライダーストロンガー』ではついに黒いマスクになっています。後に、「客演2号」と呼ばれるスタイルがしばらく続きました。今回は2号ライダーのマスクの色の変化をたどっていきます。

 1971年の初登場時の2号ライダーは、怪奇色が強く暗い画面だと見にくかった旧1号ライダーから改良されて、より明るい色になりました。その後に1号ライダーが復帰して、新1号ライダー編に2号が再登場した第72話『吸血モスキラス対二人ライダー』では、同じマスクの色になって新2号スタイルになります。この時点で1号ライダーとの違いは、グローブとブーツの色が赤いことと横の白いラインが1本線なだけです。

『仮面ライダー』終盤のクライマックスは、ショッカーライダーとの対決でした。本物のライダーと見分けがつかないところがポイントなので、ライダーのマスクが同じでないと成立しません。続編となる1973年『仮面ライダーV3』の第1回、第2回でも同じメタリックグリーンのままでした。ところが再登場時に異変が起きます。

 1号と2号の見分けやすくするためか、1973年7月に放送された『仮面ライダーV3』第21話「生きていたダブルライダー」では、1号ライダーが元の緑色のマスクになり、2号はシルバーのままでした。同じ7月に上映された映画『仮面ライダーV3対デストロン怪人』では、なぜか1号2号のマスクの配色が真逆になっています。マスクの色の違いが明確でなく、「区別ができればいい」くらいの適当なものだったのでしょうか。

 2号ライダーのマスク問題は1974年『仮面ライダーX』になっても続き、TVでは明るい色、映画『五人ライダー対キングダーク』では暗い色でした。

 1975年『仮面ライダーストロンガー』では、変化があって黒い仮面になります。仮面が黒くなった理由はフォーム図鑑でも言及されていません。『仮面ライダー』をリアルタイムで見ていた子供たちには馴染みがある色合いですが、初めてライダー1号2号を見る子供にとってマスクが同じでは区別しにくかったのかもしれません。

 その後、1979年『仮面ライダー(スカイライダー)』や1984年『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』にも出演し、2号ライダーの黒い仮面はすっかり定着します。

 かと思えば、1988年『仮面ライダーBLACK RX』第44話「戦え!全ライダー」に登場した時には、『仮面ライダー』最終回時点の新2号スタイルに戻っていました。黒い2号ライダーが、BLACKとキャラ被りするための対処だったと考えられます。

 このスタイルが平成ライダーシリーズにも踏襲され、2009年『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』でも新2号スタイルで登場しました。

 他のライダーは最終回の時と同じ姿なのに、2号ライダーだけはその時々の都合でデザインを変更されます。行き当たりばったりで、余った色をあてがわれているようにも感じてしまい、『仮面ライダー』シリーズの礎になったヒーローなのにちょっとかわいそうな気がします。

(LUIS FIELD)

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