【漫画】お出かけが楽しみな園児 直前に知らされた行き先に「地獄だ」
保育士として働くでこ先生。ある日、ひとりの園児が「今日はママとお出かけする」とワクワクしていました。給食を終えて、ついにママが迎えにくるのですが、知らされた行き先が予想外すぎて……? 元保育士の漫画家・でこぽん吾郎さんにお話を聞きました。
まさかの行先を知った男の子の表情に注目
保育士として働くでこ先生は、毎日保育所で子どもたちに囲まれながら過ごしています。ある日、ひとりの園児が、ママのお迎えがいつもより早く、どこかにお出かけすることを、うれしそうに伝えてきました。でこ先生は、どこに行ったか教えてね」と約束をします。給食のあと、ママが迎えに来てお話をしていると……?
でこぽん吾郎さん(@Dekopon_56)が「保育士実録 でこ先生 青天の霹靂」として掲載した『実録 保育士でこ先生』(KADOKAWA)が話題です。いいね数は2.9万を超えており、読者からは「うちも直前まで何も言わずに打ちに行っています」「まさに天国から地獄ですね」「男の子の表情の落差よ」などの声があがっています。
でこぽん吾郎さんは元保育士で漫画家としても活動しています。今作を含む「レタスクラブ」(KADOKAWA)の連載作品『実録 保育士でこ先生』シリーズが単行本化され、2023年6月14日には第6巻が発売されついに完結しました。保育士時代の経験を作者が愛をこめて描く笑いあり、涙ありの実録ベースのコミックエッセイとなっています。
作者のでこぽん吾郎さんにお話を聞きました。
ーー今作『保育士実録 でこ先生 青天の霹靂』が生まれたきっかけや、理由を教えてください。
保育士の視点から、子供のかわいさや面白さを伝えられたらと思って描きました。しかし、かく言う私も子供時代は注射が大嫌いで、診察室で泣いたり暴れたりして親と先生と看護婦さんたちに多大なるご迷惑をかけた記憶があります(苦笑)。
なので、「予防接種を突然告げられた子の絶望」に私自身、とっても共感してしまった、というのも理由のひとつですね……。
ーー子供の絶望的な表情が絶妙に描かれていて印象的でした。今作を描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか?
お気に入りのシーンは、予防接種を告げられたときの子供の表情です。ちょっと気の毒ではありますが(笑)。大人から見れば些細なことでも、子供にとってはとても重大なことってたくさんあるので、子供の一つひとつの表情はその子の気持ちになってなるべく丁寧に描くようにしています。
ーーたくさんのコメントが寄せられております。特にうれしかった読者の声や面白いと思った意見などがありましたら教えてください。
「表情が面白い」「天国から地獄」「似たような経験あります」など、さまざまなご感想をたくさん寄せていただき、うれしく思いました。
また、「お母さんの気持ちが分かる。うちもギリギリまで伝えない」というご意見を拝見すると、やっぱり似たような状況のご家庭はあるんだなと思いました。その一方であらかじめ先に伝えておいた方が心づもりができるから、事前に予告しておく派もおられ「統計とったらどっちが多いのかな……?」と思ってしまいました。
ーーでこぽん吾郎さんがマンガを描き始めたきっかけはありましたか?
私は、マンガやイラストが大好きな子どもでした。読者をドキドキさせたりワクワクさせたりするものを、いつか自分自身でも描いてみたいなという思いは昔からあったのだと思います。
なので、実はマンガ自体は小学生のときから描いていました。クオリティ的にマンガというのもお恥ずかしいものばかりでしたが、家族や友人に楽しんで読んでもらえることがうれしくて描き続け、保育士を経てからもマンガを描いている今日この頃です。
ーー今作のほかにも、ご自身の保育士体験をもとに保育に関する情報やエピソードを日々アップされています。保育に関する発信をしようと思った理由があれば教えてください。
保育は責任のある大変なお仕事です。しかしそこを補ってあまりあるほど保育って面白いのです……! 当時は頭を抱えるほどに悩んでいたことでも、振り返ってみれば「あれもいい思い出だな」と思えるほどに。
そういったものを自分の頭の中だけに留めておくのは、なんだかもったいないような気がしたのです。子供たちのかわいさや、すごさ、面白さをたくさんの方に、マンガを通してお伝えしたい! そんな気持ちがきっかけでマンガを描いてみることにしました。
ーー今作を含む「レタスクラブ」(KADOKAWA)の連載作品『実録 保育士でこ先生』シリーズが単行本化され、2023年6月14日にはついに第6巻(完結巻)が発売されました。見どころやシリーズ完結に関する想いなどを教えてください。
ずっと保育のことをメインにマンガを描いてきましたが、せっかくの完結巻ですので、私自身の話を入れてみました。どんな幼少期を過ごし、どうして絵が好きになったのかというあたりを掘り下げたマンガを載せさせていただいております。
私自身の幼少期のエピソードは、いつか何らかの形で残しておきたいと常々思っていたエピソードです。無事にこうして最終巻が出せたのも、でこ先生を連載当初から多くの読者の皆様が応援してくださったからだと思っております。本当に感謝しております。
ーー2024年はどのような創作活動をする1年にしたいですか?
最終巻を描き上げてから少し経ち、自分の気持ちにもいろいろと整理がついたことでもう一度でこ先生を描いてみたいなという気持ちが湧いてきました。完結はしたものの、相変わらず絵を描くことも保育も大好きなので、今まで通り、無理なく、コツコツ……なスタイルで創作していきたいです。
●「レタスクラブ」(KADOKAWA)で連載中の『実録 保育士でこ先生』
(マグミクス編集部)