『ワンピ』シャンクスとボニーは兄妹? 天竜人の血筋が仄めかす「あるひとつの可能性」
『ONE PIECE(ワンピース)』のジュエリー・ボニーといえば、これまで目立った活躍はほとんどありませんでしたが、現在連載中の「エッグヘッド編」で出生の秘密が明らかになり、今やすっかり重要なポジションになりつつあります。しかし彼女の秘密は、これだけに留まらないかもしれません。
衝撃的な設定が次々と明らかに
ここ最近の『ONE PIECE(ワンピース)』では、「最悪の世代」唯一の女海賊、ジュエリー・ボニーにスポットを当てた展開が繰り広げられています。波瀾万丈な半生が明かされたことで、多くの読者が衝撃を受けていますが、その一方で彼女の出生にまつわる「ある考察」も大きな注目を集めているようです。
※この記事には『ONE PIECE』単行本未収録の内容が含まれています。
ボニーの出生の秘密が明らかになったのは、第1098話「ボニー誕生」でのことでした。これまで彼女の父親は、元王下七武海のバーソロミュー・くまであることが分かっていましたが、実はふたりに血縁関係はありません。ボニーはかつてくまとともに生活していた幼なじみであるジニーの忘れ形見であり、とあるきっかけから親代わりとして育てていたのです。
さらにボニーは、くまが政府の人間兵器「パシフィスタ」に改造された理由にも大きく関わっていました。というのも母親のジニーは「青鱗病(せいぎょくりん)」とよばれる難病のせいで亡くなっており、ボニーもまた同じ病気にかかってしまったのです。余命いくばくもない娘を助けるために、くまが藁(わら)にもすがる思いで訪ねたのが、海軍の天才科学者であるDr.ベガパンクでした。
そこで世界政府と取り引きしたくまは、ボニーの病気を治す条件として王下七武海に加盟すること、そして海軍の「人間兵器」になることを快諾したのです。
●ボニーの「本当の父親」は誰?
ボニーの誕生秘話を通して次々に新情報が明かされていますが、ここで気になるのは彼女の「本当の父親」は誰か、という点ではないでしょうか。ジニーの誘拐は、「天竜人の妻」にするという目的で行われたものであると判明しています。そしてボニーは誘拐後に生まれているので、普通に考えればジニーと天竜人のあいだの子供ということになるでしょう。
問題はその天竜人が「誰か」ということで、読者のあいだでは「フィガーランド・ガーリング聖」がその候補に挙げられていました。ガーリング聖といえば、「神の騎士団」の最高司令官であり、天竜人のあいだでも強い権力を持っていると思われる人物です。
考察の根拠となっているのは、単行本の72巻に掲載された「SBS(質問コーナー)」のようです。そこには最悪の世代が「性別を転換」したイラストが掲載されており、男性版のボニーが描かれていたのですが、その見た目はどことなくシャンクスに似ていました。
そもそもガーリング聖については、映画『ONE PIECE FILM RED』での描写から、シャンクスの父親という説がまことしやかにささやかれていました。そしてゴッドバレーの地で開催された「人間狩り」の描写で、複数の子供がいたことも示唆されています。
だとすれば、ガーリング聖がシャンクスの父親であると同時に、ボニーの父親でもあるという可能性は否定できないでしょう。同じ血を受け継いだ「兄妹」だからこそ、男性版ボニーの姿はシャンクスに似ていたのかもしれません。
思い返せば、ここ最近はボニーが重要なキャラクターであることを印象付けるような展開が続いています。「週刊少年ジャンプ」2024年2号に掲載された第1101話は、まるですべての始まりである第1話「ROMANCE DAWN -冒険の夜明け-」をセルフオマージュしたかのような内容だとして、話題を呼んでいました。
ほぼ軟禁状態にあったボニーは、カモフラージュのためにコニー王太后から帽子を授かり、船に乗って海に出発すると、能力によって巨大な拳をかかげ、監視役のサイファーポール・アルファを殴り飛ばします。まるでシャンクスから麦わら帽子を受け取り、海に出て近海の主を倒したルフィのように。しかもボニーはここで、伝説の戦士“ニカ”の姿を再現した攻撃を行っています。
またルフィの親が革命軍のリーダー・ドラゴンである一方、ボニーが父として慕っているのも革命軍の幹部だったくまです。ここまでボニーの重要性が示唆されているのは、やはり偶然ではなく、「シャンクスの妹だから」という理由が背景にあるのでしょうか。
もちろんあくまで推測の域を出ない話ですが、ボニーが「エッグヘッド編」の中心人物のひとりであることは間違いありません。この先、考察の裏付けとなる新事実が明らかになることを期待したいところです。
(ハララ書房)