「言うこときかない」「お金がかかる」FC版『ドラクエ3』に登場する使いづらい職業3選
『ドラゴンクエスト3』の魅力であり悩みどころでもあるのが、仲間となるキャラクターの職業選択でしょう。それぞれ一長一短あるなか、やはり使いやすさ/使いづらさというのはあるようです。
レベルが上がるほど役立たずになっていく…!
1988年2月10日に発売されたファミコン版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下『ドラクエ3』)は、それまでのシリーズにはなかった「職業」の概念が採用されました。
主人公の職業は「勇者」で固定ですが、旅をともにするパーティーメンバーについては、最初の街「アリアハン」にある「ルイーダの酒場」にて「戦士」「武闘家」「魔法使い」「僧侶」「商人」「遊び人」の6種類から選んで作成できます。職業それぞれに一長一短あり、それぞれに楽しませてはくれるものの、いわゆる「使いやすさ」という点ではどうしても差があるものでした。
この「使いやすさ」という観点から、初心者にはとてもおすすめできないとやり玉に挙げられるのが、ご存知「遊び人」です。
「遊び人」はほかの職業と比べると、攻撃力や防御力といったステータスが低く、覚える呪文もありません。さらに戦闘になると一定の確率でプレイヤーの命令を聞かず、勝手な行動をとる場合があり、しかもレベルが上がるほどそれが顕著になっていきます。もちろん戦力として数えられるわけもなく、4人パーティーのうちのひとりがそのような調子なので育成もひと苦労どころではなく、もしもリアルにこんなのがいたら、到底お近づきにはなりたくありません。
長所は「うんのよさ」のみというのも、さすが「職業」として「遊び人」を名乗るだけのことはあります。きっとギャンブルだけは強いのでしょうね(ゲーム中のカジノで強いという印象はありませんが)。
そのようなわけで、初心者にはとてもおすすめできない「遊び人」ではありますが、そのように苦労してまで育てるだけの価値はある、というのも面白いところでしょう。ご存知のように「遊び人」は、転職できるレベルになれば無条件で「賢者」になることができるのです。
「魔法使い」と「僧侶」の、両方の呪文が使える「賢者」は、前述したキャラメイクにおいては選択できず、ゲーム内で冒険を進めるといずれ訪れることができる「ダーマ神殿」で「転職」をすることによってのみ、なることができます。そして、「遊び人」以外の職業から「賢者」に転職するには、「悟りの書」という消費アイテムが必要になるのです。
なお、ほかの職業から「遊び人」への転職はできません。根っからの「遊び人」、すなわちダメダメなダメエリートしか極められないのが「遊び人」という職業なのでしょう。
そのような「遊び人」と同じく、敵との戦闘が多く待ち構えている冒険には向いていないのが「商人」です。「商人」がパーティにいると、戦闘終了時に得られるゴールドが増えるというメリットはあるものの、やはり「商人」を名乗るだけあって、戦闘には不向きなのです。
肉弾戦担当として使用するには、「戦士」や「武闘家」と比べ攻撃力や打たれ強さ(装備できる防具など)で劣り、「商人」として覚えられる呪文もありません。このように、ゲームの大きな部分を占める「戦闘」においては、「遊び人」ほどではないにせよ、「商人」は使いづらい職業といえるでしょう。
さらにストーリーを進めていくと起こる「商人の町」を作るイベントでは、仲間の「商人」を町に差し出す必要があります。このイベントをクリアしないと先に進めないのですが、ファミコン版では町が完成した後もその商人は戻ってこず、これまで育ててきた苦労が水の泡になります。
新たな「商人」をキャラメイクして引き渡してもイベントは進行するものの、さして思い入れもないキャラの名前を冠する街が発展していく様を眺めることになり、それはそれで、なんだか損をしているような気分になるかもしれません。