『星矢』サガがシオンを殺害しなかったら…星矢は聖闘士にならなかった？

シオンが教皇のままだったら…

　1986年に連載開始され、2024年の現在までに5000万部を超える大ヒットを記録した少年マンガ『聖闘士星矢』。ギリシャ神話を題材とした壮大な世界観や、星座をモチーフとした鎧「聖衣（クロス）」、人間の内に眠る小宇宙（コスモ）を爆発させて奇跡を起こす戦闘描写などが人気を博して、世界的に話題となった人気作品です。

　女神アテナを補佐して、地上の平和を守るのが「教皇」と呼ばれる側近です。教皇は12人の黄金聖闘士から、先代の教皇が後継者を指名し、継承されます。

　劇中では射手座のアイオロスと、双子座のサガが後継者候補とされ、教皇シオンは射手座のアイオロスを指名します。これは選ばれなかったサガの心には、邪悪な多重人格があり、教皇シオンはそれを感じ取っていたからです。

　選ばれなかった理由を説明したシオンに対し、サガの邪悪が解放され、シオンを殺害して教皇に成り代わってしまいます。もし、サガがシオンを殺害しようとして、ギリギリで踏みとどまっていたら、どうなっていたでしょうか。

　サガが持つ善の心が、劇中より若干強かったとして、土壇場で教皇シオンへの不満や反逆心をぎりぎり抑え込めたとします。この場合、シオンはアテナの聖衣の秘密を知るほど、博識ですから、サガの中の邪悪な心を救おうとするでしょう。

　アテナの盾を使えば、サガの邪悪は消し飛びますから、サガは自身が望む「正義の心を持つ聖闘士」に生まれ変わるに違いありません。この場合、もうひとつの要素も変化します。