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「なぜアニメ化されないの?」 画力・演出・モラル 人気マンガそれぞれの理由

人気にも関わらずTVアニメ化がされないマンガには、「画力が追いつかない」「伝説の人を超えられない」「モラルが崩壊している」と、いろんな理由があります。

ムリに映像化を望まないファンも多い?

2014年7月発売の現状の最新巻『バガボンド』37巻(講談社)
2014年7月発売の現状の最新巻『バガボンド』37巻(講談社)

 2024年も、たくさんの人気マンガがTVアニメ化されます。ところで、「どうしてこのマンガはTVアニメ化されないの?」と、不思議に思う作品はありませんか? 何か「ムリ」な理由があるはずです。

「マンガがTVアニメ化される条件」は、いくつかあるそうです。これは一例ですが……

・コミック初版が10万部以上売り上げている

 人気があるのでアニメ化すれば、視聴率やグッズの売上げが見込めます。

・原作にストックがある

 TVアニメは1クール(3か月)30分、12話前後が普通です。アニメは進行が早いので、コミック8~10巻ほどが必要とされています。ゆえに、月刊誌のマンガはハードルが高くなります。

・原作者や出版社が前向き

 そもそも、原作者側の了解がないと話が進みません。逆に、以前アニメ化された作品の出来に不満があり、「アニメ化はこりごり」という原作者は断るそうです。

 では、「どうしてこのマンガはアニメ化されないの?」と思う人気作品をいくつか挙げて、その「ムリな理由」を推察します。ちなみに、マンガは休載中も含めて、「連載中」の作品を中心にしています。

●『バガボンド』(作:井上雄彦/「モーニング」)

 剣豪・宮本武蔵の人生を描いた大ヒット作です。1988年から連載されコミックは37巻までですが、2015年から休載中となっています。もちろんアニメ化を望む声もありますが、ファンのあいだでも難しいと言われています。

 理由は、性描写や残虐なシーンが多々あることです。そして、剣の道、精神、心の葛藤という内面を描く作品なので、アニメでは毎週山場になりそうなアクションが続かないことも挙げられます。そして一番の理由は、「井上先生の画力のレベルが高すぎてアニメで表現するのはムリだろう」ということです。

●『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』(作画:長田悠幸 原作:町田一八/「月刊コミックガンガン」)

『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』は2013年10月に連載を開始し、コミックは現在21巻まで出ています。物語は……見た目が「地味」な高校英語教師・本田紫織が27歳の誕生日に、伝説のギターリスト「ジミ・ヘンドリクス」の霊に取り憑かれ、「27歳が終わる日までに音楽で伝説を残さなければ死ぬ」と言い渡されます。そして、紫織は学園の生徒たちと軽音部を立ち上げ、伝説を達成するため音楽活動を始める……という内容です。

 なぜアニメ化が「ムリ」なのか? 作品の性質上、絶対に劇中で音楽を流すことになりますが、「『紫織=ジミヘン』が作る新曲や演奏が、あの『ジミヘン』を超えるなんてムリ!」という点が大きいでしょう。他にも、演奏シーンの迫力や、雰囲気を表現するのが難しいことに加え、セリフが少ないので映像化に向いていない、とも言われています。作画担当の長田悠幸先生も、自身のX(旧:Twitter)で、作品について「実写化不可能!アニメ化困難!これぞ紙の成せる技!」と語っていました。

【画像】え…っ? ぱっと見で、もう無理そう? これが「人気だけどアニメ化されない」マンガたちです(6枚)

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