「なぜアニメ化されないの?」 画力・演出・モラル 人気マンガそれぞれの理由
人気は高いけど「モラル的にムリ?」
●『タコピーの原罪』(作:タイザン5/「ジャンプ+」)

2021年12月から2022年3月まで連載された『タコピーの原罪』は、コミックは上下巻で短い作品です。短い期間でしたが、ジャンプ+で1日の閲覧数が初めて200万回を超えるほどのヒット作で、早い段階でアニメ化がささやかれました。
しかし、全16話という短さで終了しているため、TVでは1クールも難しいでしょう。そして、メインが小学生で、いじめ、虐待、親の不倫、殺人などダークで重いシーンが飛び出すため、モラル的にも「ムリ」がありそうです。マンガは連載終了から、2~3年経過すると映像化されにくい傾向がありますが、本作はどうなるのでしょうか。
●『るなしい』(作:意思強ナツ子/「小説現代」)
『るなしい』は、文藝春秋「週刊文春エンタ マンガ賞! 最高賞(2022年上半期)」を受賞している人気マンガです。2021年3月から連載中でコミックはまだ3巻しか出ていませんが、早々にTVアニメ化は困難と言われています。
主人公は女子高校生「るな」で、彼女は祖母が営む医学鍼灸院で行われている信者ビジネスで、「火神の子」として要を担っていました。るなは宗教上の理由で恋愛を禁じられていますが、ある男子を好きになり告白するも失恋、振った相手を陥れようとたくらみます。
内容がサスペンスなのはともかく、「テーマが宗教なのでムリ」と言われているようです。しかも、マンガの第1話冒頭は、るなが刑務所内にいるシーンから物語が巻き戻されてスタートしており、「犯罪」が絡んでいることが明白です。今後の展開次第で、もしかしたらTVアニメ化はあるかもしれませんが、厳しいと思います。
特に地上波は、どんな番組でもモラルが問われ、アニメも例外ではありません。また、アニメの特性的に原作マンガのハードルを越えられそうもない、という作品もあるわけです。「アニメ化はムリ」とされる作品を、ほかにもいくつか挙げてみます。
●『よつばと!』(作:あずまきよひこ/「月刊コミック電撃大王」不定期連載中)
原作者のあずま先生が、公式ブログで「キャラクターの日常の演技描写がアニメだと難しい」という旨の理由を述べています。
●『ライドンキング』(作:馬場康誌/「月刊少年シリウス」)
海外でも人気のマンガですが、主人公のモデルが「ロシアの大統領」というのが一目瞭然なため、少なくともウクライナとの戦争が終わりでもしない限り「ムリ」でしょう。
●『パラレルパラダイス』(作:岡本玲/「週刊ヤングマガジン」)
作品の設定で「女性は男に触れるだけで発情し、唯一の男である主人公と性行為をする」という性的なシーンが、物語にも大きく絡んでいるので「ムリ」でしょう。
どうしても映像化したいなら、TVアニメ意外の選択肢もあります。実写ドラマ化や映画化、R指定での映画化、近年はNetflixなどの配信サービスで、ドラマシリーズや映画が作られることも多いです。これらの場合、物語は原作のなかの1エピソードに絞ったり、設定は同じでも内容を変えたオリジナルにしたりするという方法も考えられます。アニメよりも、実写向きのマンガもたくさんありますよね。
もちろん、原作マンガの世界観を壊されたくないので映像化を望まないファンもいますから、何でもかんでも映像化すれば良いというものではありません。皆さんが思い浮かぶ、「TVアニメ化して欲しいけどムリそうなマンガ」は何でしょうか?
※記事の一部を修正しました。(2024年1月10日 15:29)
(石原久稔)




