30年の時をこえる『アフターバーナーII』の魅力。今なお稼働する貴重な筺体も
『アフターバーナーII』との出会い

いつ『アフターバーナーII』と出会ったのかは、正確には覚えていません。30年ほど前は街のゲームセンターやゲームコーナーには大抵設置されていた、ありふれたタイトルだったのです。
当時は1プレイ50円のゲームセンターも数多く存在していましたが、『アフターバーナーII』は大抵1プレイ100円、大型の筐体は200円だった記憶があります。大型筐体は他のゲーム基板と比べれば高価だったのが大きな理由でしょう。
筆者が1プレイ100円の『アフターバーナーII』をプレイするときは、多少懐が温かいか、どうしてもやりたいという場合に限られていました。
思い切って座席に座り、100円を投入すると「Get Ready!」と呼びかけられます。これから戦いが始まるという緊張感が押し寄せ、次の瞬間には「SEGA」のロゴが入った空母の甲板から自機が大空に舞い上がっていくのです。
押し寄せる敵機との戦いの末に撃墜され、ゲームオーバーの画面を見た回数は全く覚えていません。撃ち漏らした敵機に至近距離からミサイルを撃ち込まれたり、後ろから来る追跡機やミサイルに気を取られて前から来たミサイルに撃墜されたり、ボーナスステージで地上攻撃に気を取られて崖に激突したりと、色々なやられ方をしていました。
その後10年くらい、『アフターバーナーII』はゲームセンターに行けば簡単に出会えるタイトルでした。とはいえ大型筐体はメンテナンスも難しく、ゲームセンター自体が数を減らし続けるのと同じくして、1台、また1台と姿を消していきました。
それでもまだ、東京・池袋の「ゲームセンター ミカド」や大阪・新世界の「ザリガニ」などでの稼働が確認されているのが、『アフターバーナーII』の根強い人気を示しています。先日、2019年11月17日に惜しくも閉店となった「ウェアハウス川崎」でも稼働しており、閉店直前には別れを惜しむゲーマーたちがひっきりなしにプレイしていました。
筆者もいずれ稼働筐体のもとに再び足を運んで、「Get Ready」の声を聴きたいと思っています。
(早川清一朗)
(C)SEGA
Produced under a license from Northrop Grumman Systems Corporation.