衝撃的なラストに「納得できない」「えっ、もう終わり?」 アニメの賛否分かれた結末
「終わり良ければすべて良し」ということわざのように、作品への評価も「最終回」によって左右されることもしばしばでしょう。今回は「物語のラスト」にさまざまな意見が寄せられた作品をあげていきます。
「終わり方」に物議

人気のあるアニメほど、終わり方への賛否両論は付いてまわります。「あの終わり方じゃ納得できない」「結局は最高の終わり方だった」など、作品が終了してもなお長きに渡り議論が続けられている3作品を振り返ります。
●『新世紀エヴァンゲリオン』
まずは、2021年に公開された劇場版最新作『シン・エヴァンゲリオン』でも再び盛り上がりを見せた、『新世紀エヴァンゲリオン』のTVアニメ版です。「何度見ても感動しかない!」など常に多くの人を惹きつけて止まない作品である一方で、結末に対しては「意味が分からない」「結局どういうこと?」と困惑する声が多いことでも有名でしょう。
物語は、これまで描かれた使徒や「人類補完計画」の謎について触れることなく、不思議な最期を迎えました。自己肯定感がものすごく低かった主人公の碇シンジが、「僕は僕でしかない」と自身を肯定したことで、いままでシンジとかかわった人物らが「おめでとう」と祝福し、シンジの「ありがとう」とともに幕を閉じます。
作中で描かれた謎が明かされることなく終わった最終回に「未回収の謎が多すぎてぞわぞわする」「えっ、もう終わり?」と疑問を浮かべるファンも見受けられました。
疑問の声があがる一方で、あまりにも衝撃的だったことから、この最終回をもとにしたパロディが数多く生み出されています。特にTVアニメ『銀魂』の第150話では、かなり本家に寄せて描かれた「ありがとう」のシーンがネットを騒がせました。
●『幽☆遊☆白書』
個性あふれるキャラクターが魅力の『幽☆遊☆白書』は、今でも根強い人気を誇る作品であり、2023年よりNetflixにて実写ドラマも配信中です。戦いの場面は見るたびに興奮し、個性的なキャラクターが放つ爽快な技に心躍ったファンも多いでしょう。
しかし、物語の結末があまりに急ぎ足だったため、困惑するファンも少なくありませんでした。同作の終盤は「魔界統一トーナメント」という、まさにアクションマンガの真骨頂ともいえる激戦が繰り広げられます。しかし、バトルがサラッと終わってしまったため「もっとバトルシーン長くして」「白熱した試合をもっと見たかった」と物足りなさを感じる意見が聞かれました。
反対に、この最後を肯定的に受け止めるファンからは「だらだらしない感じで最後まで楽しめた」「王道な最終回は、やっぱり良いものだ」との声があがっています。
『幽☆遊☆白書』の最終回については、のちに原作者である冨樫義博先生が出した同人誌で、持病の悪化や半ば無理やり連載を続けていくことへの疑問から連載を止めた、といった内容を語っていました。苦しい状況でありながらも作品を完結まで進めてくれた、という点は、冨樫先生へ感謝しかありません。
●『ドラゴンボール』
『ドラゴンボール』の最終回では、主人公である孫悟空が魔人ブウを元気玉で倒した10年後、魔人ブウの魂が転生して誕生したウーブに出会い、悟空たちとともに修行へ旅立つシーンで完結しました。
ウーブについては多くの謎が残されており、「長く連載を続けすぎて終わりどころがなかったのでは?」という意見も聞かれます。
なお、この意見を支持するファンの間では「どこで終わらせるべきだったか」という点も議論されているようで、よく候補にあがっていたのは「マジュニア編」や「フリーザ編」でした。「マジュニア編」では悟空が初の天下一武道会で優勝を果たし、チチと結婚するなどのイベントが豊富です。一方、「フリーザ編」では悟空の超サイヤ人への覚醒やフリーザのラスボス感が挙げられていました。
人気ゆえに多くの意見が交わされるのは人気作品の副産物ともいえるほど付いてまわるものです。いまだに、人気が衰えないことから、論争は今後も絶えず続くことでしょう。
(マグミクス編集部)