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到底シロウトではない! 『仮面ライダー』のおやっさん「立花藤兵衛」は何者なのか

特撮の金字塔『仮面ライダー』で、本郷を支えるのがスナック「Amigo(アミーゴ)」の経営者である立花藤兵衛です。この方、やっていることが実は人間離れしています。到底シロウトとは思えない能力から、その正体を探ります。

大人になってみてわかる「藤兵衛」のスゴさ

 BANDAI SPIRITS「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダー旧1号」 (C)石森プロ・東映
BANDAI SPIRITS「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダー旧1号」 (C)石森プロ・東映

 1971年の放映後、日本を代表する特撮番組となった『仮面ライダー』において、秘密結社「ショッカー」が社会転覆のために送り出す改造人間(怪人)と戦えるのは、基本的には同じショッカーに改造された「仮面ライダー/本郷猛」のみです。

 そうした理由で仮面ライダーは当初、ひとりでショッカーと戦います。そして、人間に戻れない悲しみを背負う本郷を、精神的に支え叱咤激励する人物として第1話から登場しているのが「立花藤兵衛」です。かつて、オートバイを操るオートレーサーだった藤兵衛は、同じくオートレーサーだった本郷のトレーナーでもあり、元々ふたりは信頼関係で結ばれていました。

 藤兵衛は、本郷の最初の理解者として、仮面ライダーの戦いを支援し始めます。続く「2号」「V3」「ライダーマン」「X」「アマゾン」「ストロンガー」に対しても支援を続け、こうして歴代ライダーたちの強い支えとなっていきました。親しみを込めて「おやっさん」と呼ばれている場面がとても印象的な人物です。

 本稿の執筆にあたり、筆者は久しぶりに『仮面ライダー』と『仮面ライダーV3』を観たのですが、大人の視点から眺めると、その立花藤兵衛の超人ぶりに驚かされました。「作品世界がどうしてそうなっているのか」を「ありえない」ではなく、肯定的に考察するのが筆者の執筆スタンスですから、藤兵衛の超人ぶりと、なぜそうなっているのかを考えてみます。

 まず、藤兵衛の凄さは「個人戦闘力」です。演じられている小林昭二(あきじ)さんは『仮面ライダー』放映開始時で41歳、身長164cmの普通体型でした。筋骨隆々でもありませんし、藤兵衛の設定として格闘家でもないはずです。しかし、彼はしばしばショッカー戦闘員を素手で倒します。秘密結社の拷問装置による電撃に耐えたこともあります。

 ショッカー戦闘員も改造人間であり、その能力は常人の数倍と設定されています。『仮面ライダー』の主要人物のひとりで、FBIのエリート捜査員である「滝和也」であれば、特殊な戦闘訓練を受けているのだろうとも考えられますが、藤兵衛は「スナックのマスター」なのです。

 そして、次なる凄さは「トレーナー力」です。藤兵衛は『仮面ライダー』第3話の時点で、本郷に「その体は鍛えれば進化する」と助言していました。なぜ、藤兵衛は改造人間の特性を理解し「もっと速く走れ本郷!」といったように、必殺技の完成系が見えているような発言ができるのでしょうか。そのトレーナー力はショッカーも認めており、大幹部の「イカデビル」は藤兵衛を捕らえて、自身を特訓させることでのパワーアップを目論んだほどでした。

 なお藤兵衛は、その後の歴代ライダーに対しても度々、工事現場の作業用機械などを使って特訓を施し、新必殺技を編み出させています。

【画像】すべての原点! こちらが仮面ライダー1号/本郷猛(若かりし日の藤岡弘、さん)です

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