「なんでもクソゲー認定してんじゃねーぞ!」いま思えば充分遊べる「隠れた良作」3選
発売当時はあまり評価の高くなかったゲームでも、今思えば充分遊べる良作だった、ということはままあるでしょう。キッズには難易度が高すぎたためにクソゲー呼ばわりされてしまった、といったような隠れた良作を見ていきます。
キッズには難しすぎたかもだけど…

「クソゲー」なる言葉が広まってからこのかた、少しばかり難易度が高かったり、万人受けするような内容ではなかったりしたがために、安易に「クソゲー」呼ばわりされるなどして埋もれてしまった良作というものもあるのではないでしょうか。
●光栄『ヨーロッパ戦線』
1991年に光栄(現 コーエーテクモゲームス)から発売された『ヨーロッパ戦線』は、そうしたゲームのひとつかもしれません。第二次世界大戦を題材としたシミュレーションゲームで、「フランス侵攻」から「ベルリン攻防戦」までの6つのシナリオが収録されています。国産PC各機および、スーパーファミコン、メガドライブで発売されました。
ゲーム内では難しい漢字が使用されていたり、シナリオをクリアするまで長い時間がかかったりと、子供向けではない作品といえるでしょう。そのため「遊び方すらよくわからない」という状態で投げ出したキッズもいたことと思われます。
しかし、この難しさはあくまで内容の高度さが原因です。いま振り返ると、史実を元に歴史を細かく描いていたり、「枢軸軍」と「連合軍」を選んでプレーできたりとやり込み要素もかなり充実しています。『信長の野望』シリーズなどでお馴染みの光栄が発売した硬派で意欲的な本作は、戦術シミュレーションや歴史を題材としたゲームが好きな人におススメです。
●エポック社『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』
1990年にエポック社から発売されたファミリーコンピュータ用ソフトの『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』もまた、そのような隠れ名作のひとつでしょう。オーソドックスなRPGながら、敵とのエンカウント率が高かったり、ボスが強すぎたりと、ゲームの難易度が高めだったため、ネガティブな評も聞こえてきます。
クリアするには相応の根気を必要とするものの、『ドラえもん』ファンからすると大変な良作です。というのも、同作は各章ごとに劇場版『ドラえもん のび太の魔界大冒険』『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』『ドラえもん のび太と竜の騎士』『ドラえもん のび太の日本誕生』の後日談的なストーリーなのです。映画キャラとの再会など、ファンには嬉しすぎる内容が満載です。
さらに、いわゆるオーソドックスなRPGにおける「お金」と「MP」の要素を「どら焼き」が兼ねているなど、細部までドラえもんらしさにあふれた作りです。ドラえもん好きなら、決してクソゲー認定などできない作品でしょう。
●ハドソン『美女と野獣』
1994年にハドソン(当時)から発売された、スーパーファミコン用ソフト『美女と野獣』も挙げられるでしょう。ディズニーの名作映画を「野獣」の視点で再現した横スクロールのアクションゲームで、こちらも難易度が相当に高いことで知られます。
それはたとえば、ステージクリアには制限時間が設けられているのに攻撃が当たりにくかったり、ジャンプした先に敵が待ち伏せる罠があったり、コンティニュー回数に上限があったりといった調子で、クリアを諦めたという人も多かったことでしょう。
その一方で、ステージの時間制限を魔法のバラが散っていくことで表現するなど、原作に寄り添った凝った演出が見られ、丁寧に作られていることがうかがわれます。「ほえる」「ひっかく」「踏み潰す」「よじ登る」といった「野獣」らしい豪快で多彩なアクションを評価する声も聞かれ、アクションゲームとしてはかなり奥深く遊べる作品でした。逆にこのアクションの多彩さが、難易度を上げている要因だったのかもしれません。
(マグミクス編集部)